【高校バスケ】開志国際初V 富樫英樹監督率いた赤いトラたちリベンジ 五輪代表長男勇樹も観戦

  • 福岡第一対開志国際 第3Q、点が入り手をたたく開志国際・富樫コーチ(撮影・河田真司)
  • 決勝戦を見届けた富樫英樹コーチ長男の千葉・富樫勇樹(撮影・河田真司)
  • 男子優勝を決め、富樫英樹コーチ(中央)を囲み集合写真に納まる開志国際の選手たち(撮影・河田真司)
  • 男子優勝を決め、トロフィーを手に笑顔を見せる開志国際・介川(撮影・河田真司)
  • 男子優勝を決め笑顔を見せる開志国際・介川(撮影・河田真司)
  • 試合後、胴上げされる開志国際・介川(撮影・河田真司)
  • 福岡第一対開志国際 第2Q、点が入りガッツポーズする開志国際・富樫コーチ(手前)(撮影・河田真司)
  • 福岡第一対開志国際 第3Q、シュートを放つ開志国際・介川(撮影・河田真司)
  • 福岡第一対開志国際 第2Q、ゴール下ぜ競り合う開志国際・バシール・ファイサル・モハメッド(中央左)と福岡第一・ムスタファ・ンバアイ(撮影・河田真司)
  • 福岡第一対開志国際 第2Q、ディフェンスする開志国際・武藤(右)(撮影・河田真司)
  • 福岡第一対開志国際 第1Q、ボールを追う開志国際・介川(撮影・河田真司)
  • 福岡第一対開志国際 第1Q、ボールを回すに飛びつく開志国際・介川(撮影・河田真司)
  • 福岡第一対開志国際 第2Q、ブロックに入る開志国際・介川(中央)(撮影・河田真司)
  • 福岡第一対開志国際 第3Q、シュートを放つ開志国際・介川(右)(撮影・河田真司)
  • 福岡第一対開志国際 第3Q、シュートを放つ開志国際・介川(撮影・河田真司)
  • 福岡第一対開志国際 第3Q、福岡第一のディフェンスに耐える開志国際・介川(中央)(撮影・河田真司)
  • 福岡第一対開志国際 第1Q、ゴール下に攻め込む福岡第一・城戸(中央)(撮影・河田真司)
  • 男子優勝を決め、富樫英樹コーチ(中央)を囲み集合写真に納まる開志国際の選手たち(撮影・河田真司)
  • 福岡第一対開志国際 第1Q、シュートを放つ福岡第一・轟(撮影・河田真司)
  • 福岡第一に勝利し男子優勝を決め、歓喜する開志国際の選手たち(撮影・河田真司)
  • 福岡第一に勝利し男子優勝を決め、歓喜する開志国際の選手たち(撮影・河田真司)
  • 福岡第一に勝利し男子優勝を決め、歓喜する開志国際の選手たち(撮影・河田真司)
  • 福岡第一対開志国際 第4Q、フリースローを得て、笑顔を見せる開志国際・介川(撮影・河田真司)
  • 「SoftBankウィンターカップ第75回バスケットボール全国高校選手権」男子決勝が行われる東京体育館周辺(撮影・河田真司)
  • 福岡第一に勝利し、優勝を決めガッツポーズする開志国際・富樫コーチ(中央)(撮影・河田真司)
  • 福岡第一対開志国際 第4Q、デフェンスする開志国際・平良(右)(撮影・河田真司)
  • 福岡第一(奥)に勝利する開志国際(撮影・河田真司)
  • 優秀選手賞に選ばれ、巨大どん兵衛を手に笑顔を見せる、左から開志国際・武藤、介川、バシール・ファイサル・モハメッド(撮影・河田真司)
  • 優秀選手賞に選ばれる、左から開志国際・武藤、介川、バシール・ファイサル・モハメッド、福岡第一・轟、城戸(撮影・河田真司)

<バスケットボール・SoftBankウインターカップ全国高校選手権:福岡第一71-88開志国際>◇男子決勝◇29日◇東京体育館

開志国際が悲願の初優勝を決めた。福岡第一に88-71で快勝した。今夏の全国高校総体(インターハイ)決勝と同カードになったが、1点差で逆転負けした夏のリベンジを果たした。

22-27の第2クオーター(Q)は相手を無得点に抑えながら、5連続3点シュート。5本中、1年生PG平良宗龍が4本を沈め、突き放した。中学教員から開志国際を率い9年目の富樫英樹監督(60)は中学日本一(08、10年)、インターハイV(18年)に続き、ウインター杯のタイトルも手にした。

   ◇   ◇   ◇

コートで抱き合い、初Vの喜びを爆発させる選手たちを見ながら富樫監督は小さく右手に握り拳を作った。終了2分前から、すでに両目は潤んでいた。76-77で逆転負けした夏を挽回する17点差の快勝。長男で東京五輪代表PG富樫勇樹(29=千葉)が1回戦負けした昨年の試合を観戦して「弱えェなぁ」と言って帰ったのを人づてに聞いているが、その言葉も払拭(ふっしょく)する強さ。この日は決勝観戦に訪れていたが「辛口だから優勝しなかったら、何を言われるか分からない」と笑った。

相手から反撃の気持ちを奪うような連続加点だった。22-27の第2Qだ。PG平良が派手な“打ち上げ花火”を連続で放った。相手をスコアレスに抑えながら2連続で3点シュートを決める。PG沢田竜馬(2年)の1本を挟み再び2連続だ。富樫監督は「頼もしい1年生」と最下級生の強心臓ぶりを話した。

冬を制するまで9年を費やした。中学教員時代は新発田市の本丸中で08年と10年の全中で中学日本一を経験。開志国際でも18年にインターハイで優勝した。しかし中学と高校の強化サイクルの違いに最初は対応できなかった。中学では夏の全中でピークを作り、全中後は1、2年生の新チームに切り替わる。「俺が冬に弱かった。高校でも夏以降は新チームのことが頭にあった。『ここからどうする?』と」。今年は春先のコロナ禍でチームの熟成は遅れ、悔しいインターハイ準優勝を糧に選手たちがまとまった。

SF介川アンソニー翔(3年)が30得点。両輪で奮戦するPF武藤俊太朗(同)が20点。コートで躍動する選手たちが身につけたユニホームの胸に記してあるのは校名ではなく、愛称だ。アルファベットで「RED TIGERS」。富樫監督が62年の寅(とら)年生まれ。学校創立の14年に1期生として入学してきた生徒の干支(えと)も大半が98年の寅年生まれだった。くしくも今年の干支は寅年。赤いトラたちは決勝のコートで牙をむいた。【涌井幹雄】

◆男子ベスト5 武藤俊太朗、介川アンソニー翔、バシール・ファイサル・モハメッド(以上開志国際)、轟琉維、城戸賢心(以上福岡第一)

▽介川アンソニー翔(30得点8リバウンド4アシストでチームをけん引) インターハイで悔しい思いをして、頑張って練習して、高校のバスケットを気持ちよく終えられた。