【高校ラグビー】報徳学園「打倒!東福岡」のチャレンジャー精神忘れず 最高の舞台で決着つける

  • オンライン取材に応じる報徳学園の監督と選手。左から西條監督、FL植浦主将、SO伊藤、FB竹之下

第102回全国高校ラグビーは今日7日、決勝を迎える。史上4校目の3冠がかかる報徳学園(兵庫)と、過去6回の優勝を誇る東福岡との対戦。コロナ禍中止となった昨春選抜大会「幻の決勝」と同じ顔合わせとなった。

ともにAシードの名門校だが、冬の聖地では初の顔合わせ。初の決勝進出となった報徳学園が、創部70年の歴史に足跡を刻むべく、立ち向かう。

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いざ、決戦の時だ。東福岡を倒さなければ優勝じゃない-。選手はいつも口にしていた。高校3冠に手がかかるが、チームは常にチャレンジャー精神を持ち続けている。西條裕朗監督(59)は「受け(身)に回らなかったのが良かったんだと思う」と振り返る。

今年の目標は東福岡に勝つことだった。昨春の選抜大会決勝で東福岡が出場辞退し、不戦勝で優勝した。直後に行われた練習試合では10-37で敗戦。SO伊藤利江人(3年)は当時を悔やむが「次また東福岡とやって、正真正銘の実力で勝ちたいという思いができた」とも言う。

以降、チームは「打倒! 東福岡」を掲げてきた。基本に忠実に。フィジカルの強い相手に対抗し、ウエートトレーニングの時間を増加。毎日2時間の練習に加え、完全下校の午後8時半まで筋トレに励み、体を作ってきた。

不完全燃焼の春を乗り越え、夏の7人制ラグビーでも優勝。結果を出して自信をつけるフランカー植浦慎仁主将(3年)は、大会前から東福岡との決戦を望んでいた。「東(福岡)は、絶対に決勝まで来る。僕らがそこに行けるかです」。48回目の出場にして、初めて対戦する。望んだ通りの展開に「このためにやってきた。最高の舞台でできてうれしい」と話した。

コロナ禍に見舞われた世代。活動できない時期もあったが、当時の鬱屈(うっくつ)とした思いをプラスに転化。最後の舞台で思いを爆発させ、激動の3年間を笑顔で締める。【竹本穂乃加】