【高校ラグビー】報徳学園・西條監督 師の教え「男前になれ」受け継ぎ伝統のタックルで初準V

  • 東福岡に敗れ準優勝となり、スタンドの応援団にあいさつに向かう報徳学園フィフティーン(撮影・前田充)
  • 表彰式を終え、握手を交わす両チームの選手たち(撮影・前田充)

<全国高校ラグビー大会:東福岡41-10報徳学園>◇決勝◇7日◇大阪・花園ラグビー場

高校3冠をねらったAシードの報徳学園(兵庫)だが、東福岡に屈し、偉業達成はならなかった。

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報徳学園の西條裕朗監督(59)は、同校初代監督の前田豊彦氏を師と仰ぐ。ラグビーだけでなく、「男前になれ」という独自の言い回しで、素直で責任感のある人間になれ、と指導してくれた先生。「監督が怖くて続けてた」。冗談っぽく笑ったが、目には敬慕の念が浮かんでいた。

就任26年目。元々指導者になるつもりはなかったが、92年に前田氏が死去し、後任の誘いを受けた。当時34歳の指揮官は迷った。「前田先生のようにできる自信ない」。それでも、初年度に花園最高の4強入りを達成。今年、それを超える新たな記録を樹立した。

鹿児島出身で熱血的だった前田氏とは異なり、西條監督は生活指導まではしない。それでも「身をていしてチームのためにタックルする」という伝統を受け継いできた。決勝の大舞台でも「報徳らしい」ラグビーで対抗。たくましい選手の背中を見て「素晴らしい子どもたちに巡り会えた」と目を細めた。【竹本穂乃加】