【高校バスケ】部員115人の福岡第一V 山口瑛司主将「チームが1つになれた」

  • 高校バスケット最近10年の男子優勝校
  • ウインターカップで優勝し、選手に胴上げされる福岡第一・井手口監督(撮影・鈴木みどり)
  • ウインターカップ優勝の福岡第一と準優勝の福岡大大濠の選手たちは一緒に記念撮影(撮影・鈴木みどり)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権::福岡第一63-53福岡大大濠>◇29日◇男子決勝◇東京体育館

前回準優勝の福岡第一が、4大会ぶり5度目の頂点に立った。4年ぶりとなった“福岡勢決戦”で、福岡大大濠を63-53で再び下した。日頃から切磋琢磨(せっさたくま)してきたライバルに対して堅守から流れを引き寄せ、エース崎浜秀斗(しゅうと、3年)を軸に得点を重ねた。部員115人の大所帯。井手口孝監督(60)が、就任30年目の区切りの年にチームを日本一に導いた。

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頂上決戦を終え、勝者となった緑のユニホームの福岡第一の100人を超える部員たちと、白いユニホーム姿の福岡大大濠の選手たちが肩を組んで記念写真に収まった。勝利に貢献したエース崎浜秀斗は「大濠さんの存在なくして、チームも自分もなかった」。切磋琢磨(せっさたくま)するライバルに感謝した。

受け継がれる守備力が光った。前半わずか14失点。個々の能力の高さと組織的守備を組み合わせ、相手にプレッシャーを与え続けた終盤に詰め寄られても慌てず対応。日本代表の河村勇輝(現B1横浜BC)を軸に連覇を飾った4年前に続き、福岡勢決戦を再び制した。

部員115人のマンモスチーム。とりわけ、河村の活躍を受けて入学した3年生世代は40人を超える大所帯だ。だからこそ意思疎通を図ることを重視した。秋頃には故障者が相次いだ。「チームがばらばらになりかけた」と主将の山口瑛司。そのとき、けがをした当事者でゲームキャプテンでもある崎浜秀斗は、寮の風呂や食堂などで積極的に仲間と言葉を交わした。山口は「みんなの支えがあり、再びチームが1つになれた」。復帰したエースを中心に、115人が結束して乗り込んだ今大会。4年ぶりの優勝をつかみ、コートに大きな歓喜の輪が広がった。【奥岡幹浩】

〇…福岡大大濠は相手から強いプレッシャーを受けて、シュート精度を欠いた。2年ぶり頂点には届かず、片峯監督は「受け身になってしまったところが悔やまれる」。身長200センチの渡辺伶音(2年)ら、先発5人中4人が1、2年生。それだけに今大会で得た経験は大きい。来季はさらなる飛躍が期待される中で、指揮官は「勝ち切るためには強烈なリーダーシップを持つ選手が必要と実感した」。心身を磨き、必ず大舞台に戻ってくる。

◆男子ベスト5 世戸陸翔(3年)崎浜秀斗(3年)山口瑛司(3年=いずれも福岡第一)渡辺伶音(2年)広瀬孝一(3年=ともに福岡大大濠)