【ラグビー】浜松工、ノーシードから8年ぶり花園目指す 高橋晴太郎主将「出し切ることが大切」

  • 吉本監督(中央)の話しを真剣な表情で聞く浜松工の選手たち
  • 雨天のため、体育館でタックルの練習に励む浜松工の選手たち
  • ラインアウト練習を行う浜松工の選手たち
  • チームをけん引する浜松工・高橋主将(右)

花園出場を懸けた全国高校ラグビー静岡県大会が13日に開幕する。過去5度の優勝を誇る浜松工が開幕戦で科学技術と対戦。創部75周年の古豪が、まさかの県総体初戦敗退によるノーシードから快進撃を見せる。

浜松工が、どん底から勝負の秋に挑む。2年からスタメン出場してきたロック高橋晴太郎主将(3年)は高校最後の大会に向けて「今は緊張とワクワクが混ざった気持ち。最後まで自分たちのラグビーを出し切ることが大切」と力強く話した。

今年1月の県新人戦ではベスト4。4季連続の4強から雪辱を期した5月の県総体だったが、終盤に守備が崩壊し、浜松湖北に17-41とまさかの初戦敗退を喫した。今大会のシード権まで逃し「全員の目が覚めた」と高橋。この敗戦を機にチームは再び基本に立ち戻った。5カ月間で戦術のバリエーションを倍増し、守りのシステム(役割)も明確化。先月の東海大甲府(山梨)や四日市農(三重)など県外の強豪校との練習試合で成果を積み上げ「新生・浜工」の準備を整えてきた。

1回戦を突破すると、続く2回戦は、その浜松湖北が相手となる。雪辱の一戦も視界に入るが、高橋は「春のリベンジもあるけど、東海大静岡翔洋とのリベンジも果たしたい」。優勝候補の一角である東海大翔洋とは昨年、主要大会の準決勝全てで敗退。先輩たちの悔しさも晴らすつもりだ。

人とボールを動かす「フルモーションラグビー」を展開する吉本敬監督は(40)は「あの敗戦から選手の顔つきが変わった。堅い守りに手応えを感じている。自信を持って戦って欲しい」と期待を寄せた。敗戦を糧にした浜工フィフティーンが、今年はノーシードから駆け上がり、8年ぶり花園を目指す。【山口昌久】

○…3年生6人のうちラグビー経験者は2人だけだ。高橋主将と、プロップ小松原洸陽(こうよう)。2人は小学2年から中学3年までヤマハラグビースクールでプレー。高校では電車と自転車で毎日片道1時間半かけて通う仲間でもある。高校最後の大会は、苦楽をともにした11年間の集大成だ。小松原は「ここまで仲間に恵まれ楽しくラグビーができた。最後は笑って終わりたい」と力を込めた。