【フィギュア】鍵山優真「枯れるように泣いた」ミス相次ぎ、父から10分の説教“弱い自分”克服へ
フィギュアスケート男子で22年北京五輪個人、団体銀メダルの鍵山優真(21=オリエンタルバイオ/中京大)が“弱い自分”を克服する。29日、拠点とする愛知・豊田市の中京大で練習を公開し、ジャンプを中心に念入りに調整。2季連続出場となるグランプリ(GP)ファイナル(フランス・グルノーブル)での飛躍の鍵を「失敗を恐れない意識」と説いた。
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鍵山が入念にジャンプを跳んだ。微細なズレも許さないというように、感覚を確かめながら。約1時間の練習で、フリップは連続ジャンプを含めて全体の33%の13本。「フリップからの流れが課題なので、そこを確認したかった」。4回転の転倒で手を切るアクシデントがありながら、競技会さながらに果敢に挑んだ。
「枯れるように泣いた」
そう振り返る前戦の第5戦フィンランド大会を糧にする。フリーで冒頭のフリップ失敗から立て直せず、ミスが相次いでシニア自己最低の159・12点。父の正和コーチからは試合後「気持ちの弱さが全面的に出た。調子が悪くても70~80%できるようにしていかないと」と10分間の説教を受けたという。「練習以上のパフォーマンスは出ない。最後の追い込みが足りなかった」。帰国後は“弱さ”を真摯(しんし)に受け止め「悪い状態でも自信が持てる練習を」とシビアに取り組んでいる。
2戦上位6人によるGPファイナルでは初制覇が懸かる。当然「優勝したい」と思いは強いが「ゴールじゃない」。年末の全日本選手権や26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪へ「何をしなきゃいけないか。毎日意識を持ちながらやっている」と力強い。過去の「調子が悪いとすぐに心が折れてしまう」自分に、別れを告げる。【勝部晃多】