【バレー】日体大、早大破り悲願王手「一緒に日本一を狙おう」山元快太を動かした高橋藍の言葉

  • 早大に勝利し、喜びを爆発させる日体大の山元(中央)(撮影・勝部晃多)

<バレーボール:ミキプルーンスーパーカレッジバレー2024>◇30日◇男子準決勝◇千葉・船橋アリーナ

16大会ぶりの優勝を目指す日体大が、連覇を目指す早大をフルセット(21-25、25-18、25-23、21-25、15-12)で退け、7度目の悲願へ王手を懸けた。

セットカウントを先取されて迎えた第2セット(S)。第1Sの流れのまま14-16とリードを許したが、3年生アタッカーの山元快太(はやと、仙台商高)が流れを引き寄せた。「自分の力で何とか取り切ってやろうと思った」と、強烈なサーブを連発。2本のサービスエースを含む8連続ブレークに成功し、一気にひっくり返した。

第3Sも、山元が要所で得点を重ねて連取。フルセットにもつれ込んだが「特に不安はなかった」と、最後まで気持ちを切らさずに押し切った。

相手は昨年「大学4冠」を達成した名門校。直近の今年の秋季リーグも、11戦無敗で制して勢いに乗るチームだった。片や今季は無冠の日体大。それでも、山元は「戦えるという気持ちがあった」。この日はチームトップの27得点。勝利への執念が上回った。

憧れの背中を追いかける。大学を決めかねていた時、縁があり高橋藍と練習をともにする機会があった。「一緒に日本一狙いにいこうよ」。日本代表の主軸からかけられたその言葉で、日体大入学を決意した。高橋はイタリアリーグに渡ったため、今春に卒業するまでともにプレーする時間はほとんどなかったが、今でもその言葉が励みになっている。

「日本一という目標は常にある。学生のうちに絶対に取ってやるぞって」

そしてゆくゆくは、導いてくれた先輩と同じ舞台で、トップチームで。「個人としては絶対に代表に入ってメダルを取りたい。そんな選手になれるように、何が大切なのか考えながら取り組んでいる」。夢のためへ、自ら厳しい環境を選んで身を置いてきた21歳。常に、高みを目指し続ける。【勝部晃多】