開かず並べた松島と福岡、相手にとって脅威/今泉清
<ラグビーワールドカップ(W杯):日本28-21スコットランド>◇1次リーグA組◇13日◇横浜・日産スタジアム
日本の攻撃は素晴らしかった。松島と福岡の両WTBはもちろんだが、攻撃プランを立てたトニー・ブラウン攻撃コーチに10点をあげたい。パスで大きく左右に振り、今度は逆に振ることで相手のディフェンスを崩した。もちろん、そのプランを遂行した選手たちが素晴らしいのだけれど。
松島のトライは、福岡と2人並ぶことによって生まれた。普通なら左に福岡、右に松島で大きく開いているのだが、日本代表では並べて使うことがある。スピードがあり、ステップワークも巧みな2人が並ぶことは相手にとっても守りにくいし、脅威となる。
攻撃の切り札2枚を、最大限に生かした戦術。福岡を止めれば松島が、松島を止めれば福岡が来る。そこに意識を集中すれば、中をやられる。もちろん、安定したスクラムがあってのオプション。それができることが、今の日本の強みだ。(元日本代表)
◆今泉清(いまいずみ・きよし)1967年(昭42)9月13日、大分市生まれ。6歳で競技を始め、大分舞鶴高ではフランカー、早大でBKに転向した。華麗なステップと正確なプレースキックで、大学選手権2回、日本選手権1回優勝。ニュージーランド留学後、サントリー入り。01年の引退後は指導者や解説者など幅広く活躍している。日本代表キャップ8。