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セットピース優位ならイングランド勝てる/沢木敬介

決勝はイングランド-南アフリカ-。前サントリー監督の沢木敬介氏(44)は大胆に予想した。

豪州を破り準決勝進出を決め抱き合って喜ぶイングランドフィフティーン(2019年10月19日撮影)
豪州を破り準決勝進出を決め抱き合って喜ぶイングランドフィフティーン(2019年10月19日撮影)

北半球と南半球の最強国同士の対戦(26日・横浜国際)はストラクチャー(陣形が整った状態)に強いイングランドの勝利を予想。多彩なアタックが、ニュージーランド(NZ)ディフェンスを崩すことを期待した。準決勝のもう1試合(27日・同)は、南アフリカがウェールズに勝つとした。

   ◇   ◇   ◇

イングランドもNZも、ここに向けて調子を上げ、ベストメンバーでの対戦。レベルの高い、面白い試合になる。昨年11月のロンドンでの対戦は16-15と接戦でNZが勝ったが、心理的には敗れたイングランドの方が戦いやすい。「今度は勝てる」という感覚になり、逆にNZは「イングランドは強い」と思う。イングランドの方が楽に戦うことができる。

イングランドが勝つためには、スクラムとラインアウトで優位に立つこと。強みのスクラムなど、セットピースからサインプレーなどのオプションを使って攻めることができれば、NZのディフェンスを狂わすことも可能だ。キックオフを工夫するなど、多彩な攻めで、相手に「いつもとは違う」という感覚を与えることも有効になる。

NZは相手キックからのカウンターやターンオーバーなど、アンストラクチャー(陣形が整わない状態)からの攻めが得意。守りもアンストラクチャーに強く、逆に整ったストラクチャーからトライを奪われる率が高い。なるべく陣形を整えて攻めたいイングランドと、互いに崩して戦いたいNZ。タイプの異なる両チームの戦い。期待も込めて、この試合のために準備を進めてきたイングランドが決勝に進むとみる。

南アとウェールズは南アが有利だと思う。今年の6カ国対抗で優勝したウェールズだが、今大会での出来は決してよくない。タックル成功率などが下がっているのが気になる。また、メンバーのそろう南アに対して主力にケガ人が出てきたところもマイナス要因だ。南アが日本戦でもみせた強いフィジカルを武器にウェールズの強固なディフェンスを崩すとみる。

準々決勝日本戦、モールで押し込む南アフリカ(2019年10月20日撮影)
準々決勝日本戦、モールで押し込む南アフリカ(2019年10月20日撮影)

◆沢木敬介(さわき・けいすけ)1975年(昭50)4月12日、秋田県男鹿市生まれ。秋田経法大付(現明桜)高—日大を経て98年にサントリー入り。SO、CTBとして活躍した。06年から6年間、サントリーでコーチを務め、13年にU—20日本代表監督に就任。15年W杯ではコーチとして南アフリカ戦勝利に貢献した。16年にサントリー監督に就任してトップリーグ連覇後、昨季限りで退任した。

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