<’14ガールズケイリン 最優秀選手 小林優香(21)>
五輪がなければ、私がガールズケイリンに出合うことはありませんでした。五輪に出ることは幼いころからの憧れでした。大学まではバレーボールひと筋。だからバレーボールで五輪に出たい、というのが夢でした。実は、ちょうどガールズケイリンが始まるころ、母から「あんたもこれ、やってみたら?」と、言われたことがあったんです。でも、当時は高校生で春高バレーが最大の目標。バレーで全日本になることを目指していたので、そんな母の言葉はすっかり忘れていたんです。
高校から大学に行ってもバレーボールは続けていました。そんなとき、偶然、テレビで見たのがロンドン五輪の自転車競技でした。当時はバレーボールに物足りなさを感じていて…。その時、ふと母の言葉を思い出して、自転車競技で五輪に出たい、と思ったんです。実は、テレビを見た3日後が競輪学校3期生の応募締め切り日。なので、両親に相談もせず、勝手に応募用紙を出しちゃいました(笑い)。ロンドン五輪を見ていなかったら、今の私はいなかったでしょうね。
昨年の5月にデビューしてから、1年間で46戦44勝の成績を残すことができました。ですが、デビューしてから最大目標だった12月28日のガールズケイリングランプリ(GP)は3着。今年のお正月は休めませんでした。悔しくて悔しくて、ずっと自転車に乗っていました。あのGPが終わってから「本当に1つ1つのことしかできないんだなあ」と思ったんです。去年はとにかく突っ走っていくことしかできなかった。今年はまず1つ1つのことを大事に積み重ねていきたいと思っています。
東京五輪が決まってからは、いつも「東京に出たい」と思っています。今もナショナルチームに所属していますが、自分には世界に比べてダッシュ力が圧倒的に足りない。今はそこが課題です。東京での目標はケイリンで金メダルを取ることです !
5年後、私は26歳。そのころにはガールズの選手も増えて、もっと強い方も出てくると思うんです。「私がガールズケイリンを引っ張っていきたい」なんて大口はたたけませんが、強い人が出てきても私も一生懸命戦って、一緒にガールズケイリンを盛り上げていきたいなと思っています。これからも応援よろしくお願いします ! (2015年02月11日東京本社版掲載)
【注】年齢、記録などは本紙掲載時。