<霞ヶ関カンツリー倶楽部所属プロ/桜井将大(26)>
名誉あるクラブに所属できている上、東京五輪があるなんてすごいことだと思います。開催できるコースに携われているのはうれしいですね。1971年から日本ジュニアゴルフ選手権の会場になっていて、自分自身も中学時代に1回、佐野日大へ通っていた高校時代に1回出ているんです。当時は、日本ジュニアに出るだけでも喜んで、霞ケ関でやれるのが本当にうれしかった。所属できるなんて夢にも思わなかったですから。
中央学院大のゴルフ部に所属していた時、東北福祉大で2学年下にいたのが松山英樹。同じ大会だけでなく、同じ組で回ることもありましたが、ゴルフのスケールが大きかった。メンタル面の比重が大きいスポーツですが、物おじしないし、自分のゴルフを淡々とこなしていました。ゴルフがうまいというのはもちろんですが、それ以上に「強い」という感じでした。
リオデジャネイロ五輪でゴルフは112年ぶりに復活ですよね。自分は中学までスキーとゴルフをやっていたんです。地元の群馬県草津町には、草津スポーツ少年団ゴルフ部があった。父がコーチをやっていたんです。用具もジュニア用が置いてあるので、ゴルフクラブがなくても参加できました。コースもジュニア料金で安くプレーできる環境。年間1万円か2万円で午後は回り放題とか。
なのに中学時代は、スキーのアルペン競技で五輪に出たかった。母はスキーで世界選手権や国体に出たり、元スキーヤーの岡部哲也さんとも同級生だった縁もあって。ただ自分は、アルペンで急な坂を滑ることにどこか怖さがあった。そんなこともあって、高校に入る時にゴルフに絞ったんです。
高校入学時には、プロになる決意はあった。でも大学を卒業して研修生になると、ゴルフでお金を稼ぐってことに直結する。学生時代は「プロに行けるでしょ」ってくらいの気持ちだったのが、現実味が出て重みを感じました。
東京五輪まであと5年。今できることをこつこつやって、積み上げていくしかない。自分が力をつけて、ツアーに出て戦えるようになれば、東京で出場することも夢じゃないと思っているんです。
(2015年12月9日東京本社版掲載)
【注】年齢、記録などは本紙掲載時。