<ビーチバレー女子 マイナビ 坂口佳穂(20)>

 負けず嫌いなんです。ビーチバレーを始めたからには「勝ちたい」「絶対に強くなってやる」という一心でやっています。

 高校時代はダンス部で、高3の秋に初めてビーチバレーを観戦しました。小中学校で9年間、バレーボールをやっていたせいか「もう1度、ボールを追いかけたい」と引き込まれました。武蔵野大入学時の14年4月、川崎ビーチスポーツクラブに入校しました。授業以外はバレー漬けの生活です。最初は砂の上で全く動けず、スパイクすら打てなかったけど、2年が過ぎて出来ることが増えました。

 今季は鈴木悠佳子さん(28=マイナビ)とペアを組み、ジャパンツアーランキングは8位(8日現在)。大半のビーチ選手は、元バレーボール部で春高バレーなどで活躍した人が多いですが、私は何の実績もありません。実力が下がることはなく上がるのみです。

 国内のビーチバレーの現状は厳しいです。マイナースポーツで注目度も低く、競技が世界で勝てるようにならないと、なでしこジャパンやラグビー日本代表のように劇的な環境の変化は見込めないと考えます。改善するためには、競技人口の増加や、大会の賞金を上げることも1つです。メディアは、私のことを「美人アスリート」と紹介しますが、競技が注目されるのであれば良いです。

 友達が、バレーボール男子の“石川祐希人気”で、バレーボールに興味を持ちました。ビーチにおいては「男子選手っているの?」と言われたり、選手の存在をもっとアピールできる場がほしいです。リオ五輪では、96年アトランタ大会以来、6大会目で初めて男女とも出場を逃しました。私が言えるようなレベルではないけど「残念だな…」という思いはあります。

 川崎ビーチスポーツクラブには、96年アトランタ五輪に出場した瀬戸山正二さんらオリンピアンがいるため、この4年間で技術などをたくさん吸収したいです。目の前の目標は、ジャパンツアーの優勝で、20年東京大会の時には日本代表として国内のトップ選手でいたいです。最終ゴールは決めていませんが人生1度きり。今から、自分の成長がドキドキ、わくわくです。

(2016年8月17日東京本社版掲載)

【注】年齢、記録などは本紙掲載時。