<女子オートレーサー 佐藤摩弥(24)>
リオ五輪の感動は今でも昨日のことのように、よみがえってきます。スポーツを見るのは大好きで、テレビにくぎ付け。初出場の若い選手が、たくさんメダルを取ってくれました。すごく目立っていました。
はつらつと活躍する姿は魅力的。4年後の東京五輪に向け、伸びしろは大きいと思います。バドミントンダブルスの高橋礼華さんと松友美佐紀さん、卓球の伊藤美誠さん、レスリングの登坂絵莉さん、体操の白井健三さんら。どんな成長を見せてくれるのか、すごく興味があります。
勝負事にはかなり興味があり見始めると決着がつくまで見ますね。リオですごく胸を打たれたのは、バドミントンダブルスとレスリングの吉田沙保里さん。ほんと、涙が止まりませんでした。
バドミントンの決勝は、あそこまで追い込まれているのに、攻めの姿勢を崩さないのがすごい。私も毎日、勝負の世界で生きていますが、普通は焦って本来の形が崩れてしまう。最後まで攻め続けての金メダルは素晴らしい。
吉田さんは銀メダルで「申し訳ありません」と謝ったのには、ジンときました。想像を絶するプレッシャーが伝わってきました。日本の旗手も務めて、私ならそんな重圧の中で戦うのは無理。金メダルを取って当たり前のムードに包まれての戦いは、本当に大変だったと思います。断然1番人気のプレッシャーと闘いながらのメダルは、銀でもすてきです。
私はスポーツは本格的にはやったことがなく、バイク一筋の感じ。モトクロスの大会、オートレースのグレードレースでは、やはり重圧を感じます。特にスタートは勝敗を決めるので、かなり緊張します。オートは最高時速150キロ、平均105キロでレース中も集中力は不可欠。車券で人気になっている時は、ファンの期待にも応えなければ、と必死です。でも、五輪とはレベルが違う。ほんと、比べるのは失礼なくらいです。
4年後の東京五輪はとても楽しみです。せっかく東京でやるので、早めに観戦チケットを取ろうと調べたら、まだ売っていませんでした。東京中、日本中が大いに盛り上がるので、私もその輪の中にしっかりと加わりたいと思います。
(2016年9月28日東京本社版掲載)
【注】年齢、記録などは本紙掲載時。