小6から空手を始めて3段の私は、空手が五輪の種目に決まった時は思わず「やったー」と叫んで拍手して喜びました。スペシャルアンバサダーとして精いっぱい盛り上げたいです。

 五輪では空手のリポーターや解説などMCの仕事をやるのが目標です。今、MCのレッスンに励んでいます。ルールを知らない人も少なくないと感じますし、技のスピードが速く、なじみのない人には勝敗さえ分かりづらいかもしれません。だから、ルールの解説や技の説明をきちんとするだけでなく、親近感をもってもらえるように選手の人柄や性格、エピソードも研究し、選手と観戦する方々の懸け橋になりたいと思っています。MCとしては、とても詳しく陸上競技の解説をする増田明美さんを目標に、空手界の増田さんを目指したいと思います(笑い)。

 空手は五輪をきっかけに絶対に盛り上がり、空手の歴史が動いていくと信じています。空手の魅力は、相手を重んじ、礼に始まり礼に終わるという礼儀を大切にするスポーツ。その魅力は五輪をきっかけに海外にどんどん広まっていく予感がします。

 特に、これからスポーツを始めようという女性には、ぜひ空手を選んでほしい。空手は男性のスポーツととらえられ、なじみのある女性は少ないです。でも、高校時代に全日本選手権でベスト16入りした私の経験では、空手をやっている人は男女を問わず、太っている人はほとんどいませんでした。背筋が伸び、姿勢も良くなります。

 その理由は多分、試合中、相手との間合いを考えながら構え、常に動いているフットワークでしょう。試合中、ずっと小刻みにジャンプをして動くんです。これがものすごい運動量。きついですが、おかげで余計な脂肪がつかないんです。本格的に空手をやらなくとも縄跳びのような感覚でトレーニングとしてやると、美と健康に効果的と思います。

 空手の勝負のポイントはスピードと間合い。腕力など筋力も必要かと思うかもしれませんが、私は現役時代、腕立て伏せが1回もできませんでした(笑い)。子供にも、親しんでもらい、将来の空手を支えて欲しいです。


(2017年11月29日東京本社版掲載)

【注】年齢、記録などは本紙掲載時。