五輪は小さい頃から見ていたので野球が復活したのはうれしいです。今は最高峰の戦いとしてWBCがありますけど、五輪はやっぱり歴史があるし、重みがある。だからこそ出たい。
昨年のWBCを見ていて思いましたが、どんどん強い国が出てきています。オランダ、イタリア、イスラエルなどは日本が対戦しても足をすくわれる可能性があると感じました。各国の強さが上がってきているからこそ、東京五輪では本気のアメリカと戦ってみたいですね。五輪が仮に3Aとか2Aの選手が中心となったらつまらない。7、8月というのはシーズン中でもあるし、メジャーの選手派遣は難しいかもしれないけど、ガチンコのアメリカとやりたいですね。本物の戦いが見せられれば野球人気も上がるかもしれませんし。
僕が日の丸を背負ったのは10年の台湾で行われたインターコンチネンタルカップ、12年キューバとの強化試合、それと15年の第1回プレミア12。プレミア12では楽天嶋さんと西武(炭谷)銀仁朗さんとやりましたが、タイプが違う。嶋さんは声を出していじりながらチームを引っ張る。銀仁朗さんは寡黙なイメージでしたけど、コミュニケーションを取って若手を引っ張っていた。それぞれのスタイルを見て、本当に勉強になった。代表に呼ばれる選手は一流だし、一緒にプレーできる幸せがありました。
僕のイメージだとオリンピックに出る捕手って本当に絶対的な人が多い。(ヤクルト)古田さんや(巨人)阿部さん、圧倒的な力を持っていましたよね。チームを勝たせる能力があった。捕手って、チームが勝てば評価されるんです。昨年の楽天の快進撃を見ても嶋さんのリードは大きかったと思う。クライマックスシリーズでも西武を破り、ソフトバンクを追い詰めた。今は下の世代を見ても、そういう圧倒的な存在というのはいない。だから自分は成長して、圧倒的な捕手というのになりたい。
僕は17年からヤクルトの選手会長を務めさせてもらいます。責任のある場所を任されるというのは意気に感じますし、他の誰にも負けたくないという気持ちはあります。まずはこのチームの中で1番になって、引っ張っていく。そこから、チームで1番の人たちが集まる侍ジャパンに入って、自分のレベルアップにつなげたい。目指すは勝てる捕手、圧倒的な捕手。日の丸をつけて戦えるように、日々練習に励みます。
(2018年1月17日東京本社版掲載)
【注】年齢、記録などは本紙掲載時。