20年東京五輪に出場してお父さんに恩返ししたい。周りからは16歳で「絶対に無理だ」と言われているけど、それを覆したい。
6歳から柔道を始めて、最初はやらされている感じで「嫌い」だった。お父さんの指導も厳しかったし、スリッパでよく頭をたたかれた。泣いても、泣いても手加減なし。怒られながら(得意の)体落としを教わった。
ただ、畳を下りると優しいお父さんだった。15年1月に胆管がんで死去して、偉大さが分かった。弔問客から「勝利への執念」や「人の10倍練習した」などと聞いた。自分自身にも厳しかったことを知った。それから柔道への向き合い方や五輪への思いが変わった。
体格も遺伝で190センチ、155キロまでになった。足は34センチ、服のサイズは6L。パワーの源はやっぱり食事。すしが断トツで好きで、まぐろ、サーモン、ハマチ、タイ、ぶり、トロ…最高っす。小6で50皿(100貫)は食べた。
4月のジュニア国際大会優勝のご褒美として、すしを食べようかと思ったけど、ロシアでじゃがいもスープを飲みすぎて3キロぐらい太った。今はダイエット中で、すしはいったんお預け。これ以上太ったら危ない。
「斉藤仁の息子」として周りからも期待されているし、最終的には「お父さんを超える」のが目標。お父さんが84年ロサンゼルス、88年ソウル両五輪金メダルだから、超えるには五輪3大会以上の金メダルなのかな。まだ身長も伸びているし、体も柔道も成長途中。シニア選手に比べ、内股や大外刈りの精度を上げて、持久力を付ける必要がある。
お父さんからは「まだまだ弱い」と言われるかもしれないけど、自分の可能性を信じている。東京五輪に向けて、(11月の)講道館杯は絶対に優勝する。そして、腹いっぱい、すしを食べたい。
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