4月に日本情報通信株式会社に入社して、社会人アスリートとして20年東京五輪を目指しています。サーフィンのほとんどのトップ選手が個人スポンサーの支援を受けて、賞金大会を転戦するプロです。若者たちも目標にしています。でも、競技だけで生活できるのはほんの一握り。だから僕が業界の新たなキャリアモデルになって、発信していきたいと思っています。

広報担当として社内外のPR活動が主な仕事で、週の半分はスーツを着て出社していますが、あくまで競技を優先してもらえるので助かります。3月に神奈川大を卒業するまでは年間10試合程度でしたが、今後は20~30試合は出場できます。ランキングを一気に上げていきたいですね。

家族全員(両親と兄)サーファーで、私も4歳でサーフィンに乗りました。小2の時にサーフィンをするために、一家で横浜から茅ケ崎に移ったのですが、海外の人たちとコミュニケーションできるようになりたいと思い、中学卒業後、オーストラリアの高校に4年間留学しました。

サーフィンの世界王者も輩出したゴールドコーストにある高校で、週5日、サーフィンの授業があったので、すぐにとけ込むことができました。全校生徒約2000人のうち20人しか入れないサーフィンのクラスにも選抜されて、専属コーチも付きました。充実した高校生活で、日本には3年半、帰国しませんでした。

卒業後は神奈川大に進学し、2年の全日本選手権で優勝しました。16年に20年東京五輪の追加競技に決定した時は驚きました。サーフィンは米国やオーストラリアでは非常に人気が高いのですが、日本ではマイナー競技。そんな国で五輪競技として実施される。これを転機に日本のサーフィン界を変えてやろうと気持ちが高まりました。

湘南で小、中学時代を過ごしたのですが、サーフィンが部活になくて随分悔しい思いをしました。部活の生徒より好成績を挙げても、全日本で優勝しても、学校では何も評価されない。すごく残念でした。だから、五輪をきっかけにサーフィンはもちろん、他のマイナー競技も、部活や教育プログラムに取り入れられるような環境をつくりたいという強い思いがあります。

今の目標は20年東京五輪に出場することです。今年は5月の全日本級別選手権、7月の千葉チャンピオンシップで優勝して調子も上がっています。でも本当の私のゴールは、五輪の先にあると思っています。

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