メインコンテンツ
SPORT-CLIMBING
スポーツクライミング男子
17歳の新鋭、安楽宙斗「金メダルは遠くない」昨年W杯で世界トップクライマーの1人に
スポーツクライミング男子の安楽宙斗(千葉・八千代高)は昨年、目覚ましい成長曲線を描いた。初参戦したワールドカップ(W杯)ではボルダー、リードの2種目で年間総合優勝を果たした。17歳の新鋭は「練習を積み重ねていけば、金メダルは遠くない」と夏の大舞台を見据える。
2022年11月、複合ジャパンカップを最年少で制し、一躍脚光を浴びた。昨年はW杯のボルダーで1勝、リードで3勝を挙げ、世界のトップクライマーの仲間入りを果たした。五輪出場権が懸かった8月の世界選手権では複合は4位止まりで切符獲得を逃したが、11月のアジア予選を制して五輪代表に決まった。挫折を乗り越えて真価を発揮し「1位を取ると決めて、ちゃんと五輪を決められたのは誇らしかった」と胸を張った。
自らの武器を「力を無駄に使わずに登ること」と説明する。パワー頼みではなく、長いリーチを生かして体を的確なポジションに導いていく〝省エネ〟のスタイルだ。日本代表の安井博志ヘッドコーチは「どんな場面でもいろんな動きで対応できるという、かなりオールマイティーな選手になった」と評価する。
1年前には夢のまた夢と考えていた五輪出場が現実となり「自分を知ってもらう貴重な機会。結果を残すことで、少しでもクライミングが盛り上がってほしい」と力を込める。若きエースは競技の未来を背負う自負も胸に、パリ五輪へ挑む。
安楽宙斗(あんらく・そらと)
2006年(平18)11月14日、千葉県生まれ。
千葉・大和田中-八千代高。小学2年からクライミングを始める。世界ユースはリード種目で2021、22年大会を連覇。22年コンバインドジャパンカップでシニア大会初優勝。168センチ。