いよいよ平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)開幕だ。

 私も2月5日に韓国入りした。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の一員として訪れた。

 今回の平昌オリンピックは2地域に分かれて開催される。主に山で行う競技は平昌、スケートやホッケー、屋内で行う競技は、江陵(カンヌン)で行われる。

 私は、基本的には江陵に滞在するが、約1カ月間、平昌と江陵の往復を繰り返す。移動に要する時間は、40分弱だろうか。

 もちろん、選手村も2カ所に分かれている。

 私は競泳選手だったので、オリンピックは夏季大会しか参加していない。選手村は1カ所だったから、なかなか新鮮な環境だ。

 冬季オリンピックを「経験」するのは、人生で初めてだ。

 江陵オリンピックパークを少し紹介したい。

 かなりの広さで、ボランティアやメディア、関係者で準備を進めている状況だ。パートナー企業のブースが並び、それぞれ競技が行われるベニュー(会場)が並ぶ。建物には、”ICE HOCKEY”と大きく書かれたり、遠くから見てもわかりやすい。

ボランティアの方たちも、これから開幕し、観客が来た際のトレーニングをしていた。次回のオリンピック開催地である、「Tokyo2020 JAPAN HOUSE」もある。

 現役時代のオリンピックは、自分のパフォーマンスのことだけを考えていた。人生を懸けた勝負だった。いい意味で視野が狭い。

 オリンピックパークを歩くこともなかった。ここに来て各国のメディアの方とたわいもない話をすることで、立場が変わったなと実感する。


 着いて早々、メディアビレッジの場所が分からず、韓国のボランティア、平昌組織委員会のスタッフが、親切に誘導してくれた。

 そんなときは、その人の母国語で「ありがとう」を言いたいと思っている。こんなことを思えるのも各国の方が集まるオリンピックならではないかと感じる。

 バスを待っている時には、アメリカのブロードキャストの方と30分くらい話した。注目の競技や、アメリカのこと。オリンピックを通して、人の繋がりが生まれる。この沢山の人が集まる環境にとても感動する。

 このスポーツのビッグイベント、今度はサポートする側に回り、この4年間の重みを感じる。あと少しで開幕。日本にいる方もぜひ、アスリートの思いを感じて欲しいと思う。

(伊藤華英=北京、ロンドン五輪競泳代表)