雪と氷の祭典が終わった。旗手と国旗が先に入場する閉会式。日本は笑顔の小平が日の丸を振った。開会式で国旗を使用せずに入場行進をした「ロシアからの五輪選手(OAR)」は、再び国旗なしで参加した。
今大会前、国際オリンピック委員会(IOC)は組織的なドーピング不正が認定されたロシアのオリンピック委員会を資格停止処分とし、過去に違反をしていない選手の個人参加を「OAR」として認めた。大会中に処分解除されれば閉会式は国旗使用が認められたが、25日のIOC理事会で処分継続が決まった。
フィギュアスケートのメドベージェワは、エキシビションで鬼気迫る演技をした。黒一色の衣装での「ロシアン・スナイパー」。事前に用意されていたものだが「五輪は夢」とIOC理事に訴えた18歳の怒りと喪失感にあふれた表情に、思わず引き込まれていた。そして、五輪の抱える現実的な問題にぶち当たった。
開会式から17日間、存分に楽しんだ。渋谷のモーグラーから道産子カーラーまで、日本のメダルは13個。種目数激増だけに数に大きな意味があるとは思わないが、多くの競技で獲得したことには意味がある。
20個のオランダはスケートだけ、15個のスイスはカーリング以外はすべてスキー。日本人は大活躍したスピードスケートはもちろんだが、ジャンプやフィギュアなど多くの競技で「雪と氷の大会」を楽しんだ。幅広く知らない競技を知り、その魅力に浸る。「する」「見る」「ささえる」選択肢が多いのが、日本スポーツ界の良さ。20年東京オリンピック(五輪)も、そうあってほしい。
今大会、2年後に向けて「準備の場」としても注目された。夏と冬の違いはあるが、悪天候や輸送など共通の問題となりそうなことはある。北朝鮮の参加問題もどうなるか。韓国との合同チームになるのか、それとも…。そしてドーピング問題。今大会競技成績が振るわなかったOAR。「米国とロシアが強くないと、五輪らしくない」と思うのは思い込みだろうか。
韓流アイドルグループEXOに人面鳥、マーティン・ギャリックスのDJに乗って、選手が踊る。高木姉妹や吉田姉妹や両角兄弟(すべて競技が分かればあなたも平昌五輪通)がノリノリで笑顔を見せる。問題はあったが、いい大会だった。2年後、東京で再びこんな選手たちの笑顔が見たい(そだね~)。【荻島弘一】