新種目の7人制ラグビー男子の1次リーグ初戦で、日本が優勝候補のニュージーランドを14-12で破る歴史的勝利を挙げた。昨年の15人制W杯、南アフリカ戦の勝利に続き、日本がまたも世界に衝撃を与えた。
日本は前半から攻め立てた。ラグビー王国ニュージーランドに攻撃権を与えず、前半に後藤輝也(24=NEC)のトライで先制。後半開始直後には15人制の世界的選手であるソニービル・ウィリアムズが負傷退場と、運も味方につけた。一時は逆転されたが、後半6分に副島亀里ララボウラティアナラ(33=玄海タンガロア)が同点トライを挙げ、ゴールを決めて勝ち越した。
そして目の前にちらつく名誉を7人の戦士は逃さなかった。14-12の後半終了間際。右ライン際で勝負をしかけた相手を、レメキがこん身のタックルで止めた。その背にはゴールラインが迫っていた。主将の桑水流(くわずる)はすかさず転がったボールへ飛び込み、奪取に成功。窮地で猛攻をしのぎ、勝利の笛に喜びを爆発させた。
瀬川ヘッドコーチは「うれしい。やってきたことをやればできるというカンフル剤になった」と笑顔。昨年9月の15人制W杯、南アフリカ戦の勝利から11カ月弱。国内で下火になりかけた熱を、地道な猛練習で準備した五輪代表が再び燃え上がらせた。
準々決勝には各組2位までと、同3位で成績のいい2チームが進出。15人制W杯でも経験のない決勝トーナメントへ、夢は広がる。桑水流主将は「攻撃で粘りながらトライを取って、防御も粘れた。結果につながってうれしい」と喜びを爆発させた。王国撃破の余韻を糧に、次は世界の高みを目指す。