前回ロンドン大会銀メダルの開催国ブラジルが、悲願の金メダルを獲得した。前半26分にオーバーエージ(OA)枠のFWネイマール主将(24=バルセロナ)が、自らが得た直接FKを右足で決めて先制。1-0で前半を折り返した。
後半に入ると、ドイツが追いつく。14分、正確な連係で右サイドを破り、こちらも主将のMFマイヤー(20=シャルケ)が右足で決めて同点とした。1-1のまま延長戦(15分ハーフ)に突入したが、決着がつかずPK戦に入った。
両チームとも4人目まで成功したが、ドイツは5人目のFWペーターセンが右に蹴って、相手OA枠のGKウェベルトン(28=アトレチコ・パラナエンセ)に止められた。王手をかけたブラジルは5人目、満を持してネイマールが登場。GKと反対のゴール右に決め、母国ブラジルに初の五輪金メダルをもたらした。
試合後、号泣したネイマールは「たくさん言いたいことはあるけれど、今は言葉が出ない。神様、家族、チームの人たちにありがとうと感謝したい。結果を出すことを言われ続け、批判もされたけれど、自分たちの返事はサッカーだった。自分の人生の中で、一番の幸せだ」と喜んだ。PKを止めたGKウェベルトンは「神様が祝福してくれた。愛している国で(ロンドン銀に続き)神様が2回目のチャンスをくれた。今度は金をもらった」と叫んだ。
ドイツには14年W杯ブラジル大会の準決勝で1-7の惨敗を喫した。「ミネイランの惨劇」と呼ばれた借りを返すため、五輪代表がA代表の敵討ち。当時は骨折のため出場していなかったネイマールは、聖地に詰めかけた約8万人から「カンピオン(王者)」コールを一身に浴び、表彰式では金メダルに2度、キスをして最高の笑顔を見せた。
また、ベロオリゾンテのミネイラン競技場で行われた3位決定戦では、ナイジェリアがホンジュラスを3-2で下して08年北京大会銀メダル以来の銅メダルを獲得。1次リーグ初戦で日本に5-4で競り勝った勢いで3位に食い込んだ。