世界7位の錦織圭(26=日清食品)が、ついに約1世紀の歴史を動かした。
同5位で、北京五輪金メダルのラファエル・ナダル(スペイン)に6-2、6-7、6-3のフルセット、2時間49分の末に勝ち、銅メダルを獲得。五輪テニスでは1920年アントワープ大会で熊谷一弥がシングルスで銀、熊谷と柏尾誠一郎が組んだダブルスでの銀以来、96年ぶりの快挙となった。「最初にメダルを取ったのがテニス。僕もメダルを狙っていったので、本当にうれしい」。
錦織は攻撃的なプレーで、ナダルを完全に守備に回らせ追い込んだ。第1セットを6-2、第2セットも相手のサービスゲームを2回破って5-2とリードした。しかし、そこから錦織に勝利への重圧、そしてナダルの開き直りで、5オールに。タイブレークまでもつれ込んだが、ナダルが7-6で奪った。
しかし錦織は、最終セットに入った試合の勝率がジョコビッチ、ボルグ、マリーでさえ上回る歴代最高の勝率7割8分6厘。「(第2セットは)やるせないというか、5-2だったので。ファイナルはいつも粘って勝っているので頑張った」。第4ゲームでナダルのサービスゲームをブレーク。5-3の自らのサービスゲームをキープして、96年分の重荷から解放された。