トランポリン男子のエース、伊藤正樹(27=東栄住宅)が、アクシデントに見舞われた。15日、都内で行われたリオ五輪日本代表の試技会に参加。1カ月後の五輪本番に向けた「予行演習」の第2演技5本目の着床時、腰を押さえて転倒した。自力で起き上がることができず、車いすで施設内の診療所へ向かった。
診察結果は「急性腰痛」で、五輪出場は問題ないという。それでも、前回ロンドン大会4位でリオではトランポリン初の五輪メダルが期待されたエースの負傷がチームへ及ぼす影響は小さくない。5月に右かかとを痛め、練習量を落としてこの日を迎えたが、再び負傷。山本宣史監督は「高さを出す練習で、腰に負担がかかったのかも。心配は心配」と頭をかかえた。
シドニー五輪直前に負傷して強行出場した経験を持つ中田大輔コーチは「2、3日は動けないはず。1週間は練習できないだろう」と、練習スケジュールの大幅修正を覚悟して話した。リオの金メダルだけを目指し、生活のすべてを競技にささげてきた伊藤の姿を見ているだけに「後は、彼の五輪にかける思いに期待するしかない」と、悲壮な表情で話していた。