【祝V!】阿部慎之助のG再建論「度胸を持ってど真ん中をずうずうしく歩いてやろう」

巨人阿部慎之助監督(44)は〝ど真ん中〟をいく―。第20代の巨人軍監督に就任し、2024年は監督として初めてのペナントレースに挑みます。00年ドラフト1位で入団してから選手、2軍監督、コーチと、生粋の生え抜きとして王道を歩んできました。受け継がれてきた伝統と、新時代が求める変革を融合した阿部政権が幕開けします。チームスローガンに掲げる「新風」を巻き起こし、4年ぶりのリーグ優勝の先にある12年以来12年ぶりの日本一へ。新監督が思いの丈を語り尽くしました。

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◆阿部慎之助(あべ・しんのすけ)1979年(昭54)3月20日生まれ、千葉県浦安市出身。安田学園―中大を経て、00年ドラフト1位で巨人入団。01年に新人捕手でチーム23年ぶりに開幕先発出場し、初打席初安打初打点。04年4月に当時の日本記録に並ぶ月間16本塁打。09年日本シリーズMVP。12年は首位打者、打点王、最高出塁率に輝き、MVP、正力松太郎賞。ベストナイン9度、ゴールデングラブ賞4度。プロ通算2282試合で打率2割8分4厘、406本塁打、1285打点。19年に引退し、翌年から2軍監督。22年から1軍コーチで、23年はヘッド兼バッテリーコーチ。右投げ左打ち。

「今までとは違いますね」

球界のレジェンドが米ハワイ・ホノルルに集った。年の瀬の12月。現役時代通算2132安打を放ち名球会メンバーの阿部監督も、その一員として参加した。

そうそうたる顔ぶれの中には、ヤクルト高津監督、広島新井監督、ソフトバンク小久保監督、西武松井監督と旧知の〝ライバル〟も肩を寄せた。

「今までも名球会のイベントに出席していますが、今回は少し、今までとは違いますね。『頑張れよ、期待しているぞ』と声をかけてもらったり、自分自身の心境も今までよりも、より緊張感があるのかなと思います」

常夏のリゾート地でも、つかの間はない。挑戦者として挑む、ペナントレースのことで頭がいっぱいだった。

「試合で勝つためには、勝負できるチームづくりからだと思っています。

チームという組織の中で、それぞれに役割がある。その役割をまっとうするための個の力は必要。また、持っている力を出すためのメンタルも大事だなと思っています」

個の力とは、心技体の集合体を意味する。力を発揮するために必要なのが〝ど真ん中論〟だ。

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