【金足農連載〈16〉】吉田大輝の相方が先制打&好リードで8強 次戦は継投が鍵?

金足農(秋田)は3回戦で大館桂桜に4―0で勝利し、甲子園で準優勝した2018年(平30)以来のベスト8入りを果たしました。完封したエース吉田大輝投手(2年)に頼るばかりでなく、総合力が今後の戦いを左右しそうです。

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会話を大事にしている

金足農のエース吉田大輝(2年)には心強い味方がいる。キャッチャーの相馬英典(3年)である。

吉田は投球した後、相馬にジェスチャーで語りかけるシーンが多い。例えば変化球がボールになったとき「高かった?」という仕草をしたり、意図と違う球になったときは、笑みを浮かべながら「ゴメン」といったポーズをする。そんな場面が多い。

キャッチャーの相馬に笑顔を向ける吉田

キャッチャーの相馬に笑顔を向ける吉田

相馬が言う。

「吉田は気持ちで投げるピッチャーなので、打たれたりとか、テンポが崩れたら、すぐに声をかけています。とにかく会話を大事にしています」

どんな声をかけるのだろうか?

「『大丈夫だよ』『いい球きているから落ち着いていこう』と、そういう声がけが多いですね。気持ちよく投げてほしいですから」

試合前に会話する(左から)吉田、相馬、加藤

試合前に会話する(左から)吉田、相馬、加藤

この日はバットでも吉田の気持ちを盛り上げた。0-0の4回表。先頭の薮田龍人(2年)が四球で出塁すると、4番の加藤汰空(3年)がバントで送って、相馬にチャンスを回した。

「吉田が頑張って抑えていたので、早く点を取って楽にさせたかった。ここは絶対に先制して、吉田にいい気分で投げてほしかった」

ライトへの二塁打で1点を挙げると、二塁ベース上でガッツポーズをして盛り上げた。

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編集委員

飯島智則Tomonori iijima

Kanagawa

1969年(昭44)生まれ。横浜出身。
93年に入社し、プロ野球の横浜(現DeNA)、巨人、大リーグ、NPBなどを担当した。著書「松井秀喜 メジャーにかがやく55番」「イップスは治る!」「イップスの乗り越え方」(企画構成)。
日本イップス協会認定トレーナー、日本スポーツマンシップ協会認定コーチ、スポーツ医学検定2級。流通経大の「ジャーナリスト講座」で学生の指導もしている。