【日本ハム細川凌平】守備固めの重圧は、智弁和歌山キャプテンの重圧に通ず/連載79

日本ハム細川凌平内野手(22)が夏の鎌ケ谷で汗を流しています。今季は1軍で42試合に出場。代走や守備固めでの起用が多く、複数ポジションを守るユーティリティープレーヤーとしての役割が期待されています。今回は2軍降格から約1カ月後の現在地や苦悩、今季の印象深いベストプレーなどを語りつつ、高校球児だった4年前のあの出来事の心境を打ち明けてくれました。

プロ野球

◆細川凌平(ほそかわ・りょうへい)2002年(平14)4月25日、京都府出身。小学2年で野球を始め、中学3年時にはボーイズリーグ日本代表で世界一。智弁和歌山では1年から中堅手のレギュラーとなり、2年で遊撃手へ転向。3年時には主将を務め、甲子園には1年夏、2年春夏、3年の交流試合に出場。20年12月には母校で憧れのイチロー氏から指導を受けた。20年ドラフト4位で日本ハムへ入団。実家は京都・嵐山で「琴ケ瀬茶屋」を営む。保津川下りの客船にボートを使って食事や飲み物を販売する、1919年(大8)から続く老舗。50メートル5秒8の俊足。23年は60試合に出場し、打率2割1分6厘、1本塁打、10打点。174センチ、76キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸920万円。

左翼で出場、二塁ランナーの生還を阻止

左翼で出場、二塁ランナーの生還を阻止

「どこのポジションにも難しさ」

――降格して1カ月がたちました。現状はいかがでしょう

感覚は悪くはないので、やることは変わらないと思うので。1軍にいてもファームにいても、同じ野球をやるので。ワンプレーワンプレー丁寧にやるだけですね。

――複数ポジションの難しさは

難しさはありますけど。全員が全員できることじゃないので。それを完璧にやるのが自分のやらないといけないことかなと思う。

――一番難しいポジションは

ショートはやっぱ守り続けないと。難しいなとは感じますけど、どこのポジションにも難しさはあります。

――7月31日のイースタン・リーグのロッテ戦はセカンドを守っていたが、ショートと動きが逆になりますよね

そこはあんまり、そこは自分の中ではあんまりあれですけど。スローイングの長さとやっぱりスピード感。ショートが一番スピード感あるし、っていうのは感じます。

――練習としてはノックを受けるしかない

実戦で守るしかないです。それ以外はショートでどれだけノック受けても、やっぱり試合で打球を受けて、ランナーがいてっていうのがあってこその感覚だと思うので。自分のレベルというか、技術のレベルを上げるのはもちろんですけど。それはどこのポジションも一緒だと思いますけど、ショートだけに限ることじゃないし。内野外野全ポジション守りましたけど。それは全ポジションにあることかなと思います。

5月24日の楽天戦では、9回2死満塁で2点適時打

5月24日の楽天戦では、9回2死満塁で2点適時打

「どっちにもやりがい」

――野球界ではよく「ショートを守れればどこでも守れる」と言われますが

そんなことはないですね。いけると思われがちですけど。ある程度は守れるかもしれないですけど。確かにセカンドから始めた選手でショート守れるっていうのは、なかなかいないと思うけど、ショートがやっぱり一番特別なポジションだと思います。

――外野から内野にコンバートされると、ゴロ処理で足が止まってしまうことは

どうなんですかね。僕はもうそっち(外野から内野)パターンなので。高校の時に外野から。プロ入る時に外野から内野になったパターンで。それはあんまり感じないですけど、シンプルにやっぱりさばき方も全然違うし、距離感も全然違うので。そこはやっぱり難しいですね。

――若い選手でユーティリティーは珍しいと思う。最終的には1つのレギュラーポジションを目指すのか、ユーティリティーを極めるのか

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野球

黒須亮Ryo Kurosu

Tokyo

1998年5月、茨城県古河市出身。23年入社。古河三高から2浪の末、「おもしろそうだから」という理由で出願した立大文学部キリスト教学科に入学できた。ゼミは「キリスト教音楽論」。立大野球部ではDeNA中川颯投手が2学年上、楽天荘司康誠投手が同期。リーグ戦出場には遠く及ばなかったが、現在プロや社会人野球で活躍されている選手やマネジャーと過ごした4年間は貴重な時間だった。趣味は母がオペラ歌手だった影響から舞台観劇。また、幼少期からMLBが大好き。24年5月にドジャース大谷翔平投手と同じマットレスを購入するなど、とりあえず形から入る。