【日本ハム新庄剛志監督】祝CS!熱弁7735字 日本S後の去就まで…/連載114
日本ハムがパ・リーグ2位になり、6年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出を果たしました。12日からのCSファーストステージ(エスコンフィールド)でロッテと対戦。8年ぶりの日本一を目指す戦いを前に、今シーズンを振り返るインタビューをお届けします。
第1回は新庄剛志監督(52)。山崎福也投手(32)水谷瞬外野手(23)清宮幸太郎内野手(25)フランミル・レイエス外野手(29)と順次公開します。
プロ野球
◆新庄剛志(しんじょう・つよし)1972年(昭47)1月28日生まれ、福岡県出身。西日本短大付から89年ドラフト5位で阪神に入団。00年オフにFAでメッツ移籍。02年はジャイアンツで日本人初のワールドシリーズ出場。04年に日本へ復帰し、日本ハムに加入。日本ハム時代の登録名はSHINJO。06年に44年ぶり日本一に貢献して引退。日本通算1411試合、打率2割5分4厘、205本塁打、716打点。ベストナイン3度、ゴールデングラブ賞10度。22年シーズンから日本ハム監督として指揮を執り、2年連続最下位から今季は2位に躍進。右投げ右打ち。
――就任3年目、レギュラーシーズンは2位が確定。今季を振り返って
1位取れなかったのは、ほんと悔しいですね。2位も3位も…4位は違うかな(笑い)。
2位も3位も一緒ですけど、優勝させたかったですね。それは本当に正直な気持ちで。でも、今年の最初にとにかく最低でもクライマックスに出場するというところの目標はかなえられたかなと思います。
――その中で一番チームが成長した点は?
一番のポイントはケガ。ケガ人を増やさずにシーズンいろんな選手を起用して休ませながら行けたっていうところのポイントはめちゃくちゃデカイですね。
やっぱ固定して戦っていって、その固定メンバーがケガしてしまってズルズル行くっていうところはものすごく気にしていたんで。ほんとにケガ人が出てないってところが2位にたどり着いたことだとは思います。
――野手では春先に田宮や交流戦に水谷、後半戦は清宮、レイエス。その都度ヒーローが生まれたが、この辺りの流れは
ヒーローを生まれさせたんです。はい、ヘッヘッヘ。練習の姿とか試合の結果とかは別にして、いくら結果を出したとしても奮い立たせる方法というか。それはものすごく意識して。
打ったけど次の日、外して。また打てば試合に出られるというところ。あとは1日1日、その選手の表情とか走り方とか、ちょっと違和感がありそうだなと思ったら休ませて。それがうまくいきましたね、今年に関しては。
――その思いに選手たちが応えてくれた
あとはSNSのやりとりかな。はい…ヘヘヘへへ。それは本当に大きなポイントだったと思います。会話の内容は言えないんですけど。
――投手陣は伊藤を筆頭に2桁勝利投手が3人、中継ぎ投手も充実していた
それに関しては、もうピッチングコーチのおかげですよ。僕はピッチャーしたことないんで。
やっぱりモチベーションやら疲れ具合とか。1人の選手が疲れたら「ちょっと1回、落としませんか」と。そこで1回リフレッシュさせて。そのやりくりは、もうピッチングコーチがしてくれたんで、もう感謝しかないです。
――福島や柳川ら若い投手も出てきた
ああ、今年緊張したというか、ちょっと柳川くんを抑えに起用したときは、震えながらは見てましたね。
(田中)正義くんがちょっと調子が落ちて、柳川くんというプランはあっての、大事な試合で、あのとき楽天戦でしたよね。あそこは(球審に震えた声で)「いやあながわくん」って言いましたね。それくらい緊張しました。
そこで抑えてくれたんで。そこから8セーブか。パパパンっていってくれて。で、今疲れて1回落として。で、クライマックスに向けてどうかなっていうのを今、見極めてます。
でも、彼本人とのやりとりでは、156キロ出したらクライマックス戻すよっていうことを言って、この間149キロでした(笑い)。ハハハハ。でもね、それは156キロを投げるくらいの腕の振りをしなさいっていうことなんで。
バッター目線から言うと、打ちづらい投げ方、球のキレは持ってるんで。153キロくらいいってくれたら、ファウルは取れるかなっていうところで。(目指させる)上の数字で僕は言うんで。目標とするところは、そこかな。
――今季のターニングポイントになった試合は
むちゃくちゃありすぎて、わからないですけど、交流戦で1回、5位まで落ちましたよね。
そこで「どうなるんだろう、ここから。またズルズルいくのか」っていうところで、また貯金が10ぐらいまで、あっという間に行ったじゃないですか。
あそこはもう「よくやった」「ありがとう、選手」。選手たちにも「ありがとう」というしかね。あそこがターニングポイントですね。
だって、みんなズルズルっと行くと思ったでしょ。みんな(報道陣も)思ったと思うんですよ。だって、僕が思ったんだから(笑い)。そこで、よう巻き返したなって。それが成長ですよね。フフフフフ…みんな100%思ったと思いますよ(笑い)。
ロッテさんとの3連勝はデカかったですね。あそこから勢いづいてバーンって行ったんで。あとはマルティネスが開幕してから全然調子が上がってこなくて、それでも使い続けて。
で、グワチョが活躍しだして、4番としてね。そこで勢いをつけてくれて、そこで清宮君、レイエスが復活というか活躍をしてくれて、ここまで引っ張ってくれたというのは大きいですね。
あとピッチャーに関しては伊藤君。もう最多勝、決まりでしょ。本人とは15勝が最低ライン。ま、最低(笑い)…15勝は2人で取りにいくよということは伝えていたんで。あと1(勝)か。14ですもんね。
でも、伊藤君の頭の中では、もう日本シリーズに行くことしか考えていないと思うんで。自分の勝ちより。今後の(伊藤の登板)予定は、伊藤君と相談しながら決めていこうかな、と思います。
――現役時代の2006年に日本一になった時のファイターズと比較して
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