【広島矢野雅哉】GG賞候補の新名手が語った「こだわり」家族のこと/連載72
広島はシーズン終盤に急失速しましたが、その中でまばゆい光を見せたのが、広島矢野雅哉内野手(25)でした。広い守備範囲に、球際の強さを発揮。何より三遊間深い位置からもダイレクトスローできる強肩で見る者を驚かせました。今季のゴールデングラブ賞候補に直撃取材し、現状に満足しない胸の内を聞きました。
プロ野球
「ホープに聞く」連載一覧
日本ハム清宮幸太郎選手から始まった連載「ホープに聞く」。2026年のWBC候補を念頭に、これからの飛躍が期待される野球人に、一問一答形式のインタビューを行っています。今後も公開していく予定。どうぞよろしくお願いいたします。
◆矢野雅哉(やの・まさや)1998年(平10)12月16日、大阪府生まれ。育英(兵庫)から亜大に進学。亜大3年秋には打率4割1分5厘で首位打者に輝き、遊撃手でベストナイン獲得。20年ドラフト6位で広島入団。今季は自己最多137試合に出場し、430打数112安打で打率2割6分、2本塁打、38打点。171センチ、71キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸1750万円。
「おやじがめっちゃ厳しくて」
―初めてレギュラーとして過ごしたシーズンを終えて
シーズン終盤にようやくきっかけをつかむことができたんですけど、もうちょっと早く見つけられれば良かった。終わってみれば打率2割6分と、今までの自分の打撃からすると残せたのかもしれませんが、もっと早い段階で何とかできたんじゃないかなと心残りがあります。
―つかんだものは技術的な感覚か
感覚的なものというよりは、気持ちの部分です。打席の中でシンプルに考えられるようになったんです。〝この投手は走者一塁なら外角真っすぐを狙えばいい〟とか、冷静に考えられるようになりました。そういったことをもっと早い段階で気づけていれば、違う成績が残せたんじゃないかなと思います。
―今季は打率だけでなく、長打率が昨季の2割2厘から3割3分3厘に上がった
春季キャンプのときに新井さんから〝真っすぐを泳ぐイメージで打ってみたら〟と言われてから、真っすぐへの対応の感覚が変わったんです。
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