【虎番秘話】岩崎優が持ち帰った「ありがとう」ブルペンに根付いた文化/連載〈4〉

岡田阪神から藤川阪神へ─。日刊スポーツでは阪神担当記者がシーズン中に書き切れなかった話題をつづる「猛虎リポート特別版」を連載します。第4回は中野椋記者、波部俊之介記者がチームを支えたブルペンの秘話をつづります。ある儀式が、リリーバーたちの一体感を生み出していました。藤川球児新監督(44)のもとで強い絆が虎の大きな強みとなりそうです。

プロ野球

◆岩崎優(いわざき・すぐる)1991年(平3)6月19日生まれ、静岡県出身。清水四中で軟式野球を始め、清水東時代は甲子園出場経験なし。国士舘大では4年間で通算10勝8敗。13年ドラフト6位で入団。17年に先発からリリーフに転向すると、8年連続40試合以上の登板。21年には日本代表として東京五輪で金メダル獲得。23年にはセーブ王。今季は60試合に登板し、4勝4敗23セーブ17ホールド、防御率2・20。185センチ、89キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸は2億円。

肩を作った投手に飛ぶ声

外野で集まる左から岩崎優、桐敷拓馬、岡留英貴、漆原大晟。富田蓮。島本浩也、及川雅貴(2024年10月11日撮影)

外野で集まる左から岩崎優、桐敷拓馬、岡留英貴、漆原大晟。富田蓮。島本浩也、及川雅貴(2024年10月11日撮影)

虎の中継ぎ投手たちは常に試合の流れを読んでいる。

いつ来るか分からない出番へ、準備を怠ることはできない。

マウンドの投手がピンチを迎えると、ブルペンに乾いたミット音が響くようになる。

「次、あるかもしれないぞ」

投手コーチから指示を受け、リリーバーたちが肩をつくり始める。

まずは軽いキャッチボールから。次第にピッチを上げていく。

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