尾上菊之助「風の谷のナウシカ」クシャナ役への思い語る
演劇
尾上菊之助(44)が新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」をアップデートさせる。「七月大歌舞伎」(同4~29日、東京・歌舞伎座)の第3部で「風の谷のナウシカ 上の巻 -白き魔女の戦記-」で皇女クシャナを演じる菊之助にインタビューした。クシャナの心情を深く掘り下げ、宮崎駿氏が描いた原作漫画のメッセージをより鮮明に伝える。3年前に初演された話題作、歌舞伎座初上演となる。
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19年12月に新橋演舞場で初演された新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」は、歌舞伎の手法をふんだんに取り入れ、原作漫画の世界を表現。ナウシカはじめ魅力的なキャラクターたち、大がかりな舞台装置などが話題になった。前回ナウシカを演じた菊之助はクシャナを演じる。スタジオジブリのプロデューサー、鈴木敏夫氏の提案を聞いてすぐ、向上心がわいたようだ。
「『-ナウシカ』に出てくるキャラクターすべてが主人公になっていいというほど魅力的。ナウシカ以外の人物にもずっと興味を持って、前回の脚本作りに参加しました。クシャナはナウシカと対になる役。クシャナという提案をいただき、前回、中村七之助さんが作り上げてくださったクシャナに、自分がどういう色を付け加えることができるか、という思いが強かったです」
クシャナをより深く表現するため、前回にはなかった、母と語り合う場面を付け加える。インタビューしたのは博多座公演の真っ最中で、この肝となる部分を入念に作っている時だった。