【新聞とノストラダムス】人類が滅亡しなかった1999年7月に弊紙は何を報じたか
1999年7月に人類は滅亡する―「ノストラダムスの大予言」を半ば本気で信じていた。1970~80年代に子供だった世代は高確率で共感できるのではないだろうか。人類は何とか生き延びているわけだが、2022年7月を迎え、1999年7月は何が起きていたんだっけと思いたち、過去の日刊スポーツを調べてみた。
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2年前の2020年7月。五島勉(ごとう・べん)さんが90歳で亡くなった。訃報の扱いはどこも控えめだったが、1973年~1998年までに9冊出版され累計600万部を売った「ノストラダムスの大予言」シリーズの著者だ。16世紀のフランスの医者であり占星術師、ノストラダムスが著した予言詩集が、その後の歴史と照らし合わせことごとく的中していた…という内容だった。冷戦、オイルショック、公害問題。当時の“脅威”を巧みに盛り込んだ、(今思えば)オカルト本だったが、1970年代に小学生だった私は震え上がった。極めつけは「人類滅亡予言」である。以下は五島さん訳の難解な4行詩。
一九九九の年、七の月
空から恐怖の大王が降ってくる
アンゴルモアの大王を復活させるために
その前後の期間、マルスは幸福の名のもとに支配に乗り出すだろう
五島さんは250万部を売ったシリーズ1作目で、大空襲説、大陸間核ミサイル説、人工衛星説、彗星激突説、宇宙人襲来説、超光化学スモッグの6説を展開。中でも最後の公害説を人類滅亡の最有力要因とした。子供心には彗星説が一番怖かった。きっと僕は40歳を迎えられないに違いないと…。大人になるにつれて恐怖は薄まり、30歳代で1999年の七の月を迎えた。それから20年以上経って50代。あの年の7月は何が起きたのか全く憶えていない。スポーツ新聞といえども人類滅亡級のニュースがあれば1面にする。日刊スポーツ東京版のアーカイブを調べてみた。
↓1999年7月の1面。紙面をクリックすると各日の簡単な説明が読めます
高田博之Hiroyuki Takata
1990年入社のインドア派編集者。見出しレイアウト畑が長く、私生活でも大げさな表現をしがちだったが近年は自重している。
ワンピース新聞、プリキュア新聞、名探偵コナン新聞、スターウォーズ新聞、キングダム新聞など個人的趣味を兼ねたサブカル新聞にも携わった。
日刊スポーツ・プレミアム初代編集長。