ロッチに聞いた 人前でネタを続ける理由 笑福亭鶴瓶にかけられた言葉とは

お笑い

ボケの中岡創一(44)のどこか哀愁漂う姿と、コカドケンタロウ(43)の優しさあふれるツッコミで笑いを起こすお笑いコンビ、ロッチ。何げない日常のワンシーンを切り取ったネタが人気だ。コント一筋でコンビ結成17年目。互いに仕事の幅が広がり、多忙になっても毎年、オール新ネタの単独ライブを開催する。何千人とも言われるお笑い芸人の中で、テレビに出ているのはほんの一握りだ。「笑い」は日常生活にもあふれている。それでも2人は、“スベる”リスクがある中、人前でネタを続ける。その理由を探った。

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「じ~んせ~いは~、ぜんまいじ~かけ~。巻いた分しか~動か~ない~」。6月末に開催した単独ライブで「ボーカルオーディション」という設定で初披露した歌ネタの1フレーズだ。権利関係の問題でDVDには入れられず、テレビでもなかなか出しづらい幻のネタ。中岡は「今回来た人だけの共通項というネタですね。やれてよかった」。ボーカルオーディションにもかかわらず「語り」の部分が多すぎる自作曲を披露し、プロデューサーが強く指摘するも、最後には耳の残る先のフレーズを口ずさんでしまうというオチで爆笑をさらった。

単独ライブに向けて会議をする、左からロッチ中岡創一、コカドケンタロウ、放送作家の深見シンジ氏(撮影・佐藤成)

単独ライブに向けて会議をする、左からロッチ中岡創一、コカドケンタロウ、放送作家の深見シンジ氏(撮影・佐藤成)

手応えのあるネタを持ち込むテレビのネタ番組で、“スベるロッチ”を見ることはほぼない。年1回開催する単独ライブは、“唯一スベるロッチ”を見られる可能性がある場だ。単独前の取材で中岡が「今回も1つ怪しいものがある」とこぼしていたのが、この歌ネタだった。コカドも「めちゃめちゃ不安そうでした」とあまり経験がない歌ネタへのチャレンジを振り返った。

実はこの2人、コンビ結成前にともにお笑いから距離を置いた時期がある。中岡は完全にお笑いを辞めて、一般企業に就職。コカドも夢だった古着屋で働いた時期があった。