里見香奈 女性初の棋士へ一直線 詰め将棋で鍛えた終盤力で歴史を変える
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将棋の里見香奈女流5冠(30=清麗・女流王座・女流王位・女流王将・倉敷藤花)が、女性初の棋士を目指し、プロ棋士編入試験5番勝負を受験している。3勝すれば合格となる。この制度が導入されて以来、過去には今泉健司五段(49)と折田翔吾四段(32)が合格しただけ。長い将棋界の歴史が変わるのか。
◆里見香奈(さとみ・かな) 1992年(平4)3月2日、島根県出雲市生まれ。県立大社高卒。森?二九段門下。04年10月、女流2級で女流棋士となる。08年、16歳で初タイトルの倉敷藤花(とうか)を手にした。12年5月、史上2人目の女流名人、女流王位、女流王将、倉敷藤花の女流4冠達成。女流タイトル獲得は最多の49期を誇る。川又咲紀(さき)初段は妹。
「自分がどれだけやれるのか。自分の棋力向上を目指し、強い人と戦いたいと思うようになった。全力で挑みたい」。里見は、7月に大阪市内で行われた記者会見でこう言い切った。
5月27日の公式戦で勝ち、プロ棋士相手の直近公式戦成績を10勝4敗とした。男性棋士の中に入って戦うためのプロ編入試験を受けるのに必要な「最近の公式戦で10勝以上、かつ勝率6割5分以上」の条件を満たし、女性で初めて受験資格を獲得。6月24日に受験を申し込み、連盟が受理した。
この間、約1カ月とやや考慮期間があったが、「目の前の対局を全力でこなしていたので、あまり考える余裕がなかったが、挑戦してみたいという気持ちが出てきた」と話す。
将棋が強くなりたいという純粋な思いで、ここまで突き進んできた。
両親はよくこう評していた。「香奈は言い出したら聞かないんです。思い込んだらいちずな子なんで」。