美空ひばりの知られざる秘話 元付き人が明かした「失踪の理由」と「ささやかな夢」
【番記者裏話】スクープや芸能界の最新情報を求めて現場を駆け回る芸能記者が、取材を通じて感じた思いをつづります。
音楽
美空ひばりさんが52歳で亡くなってから33年になる。歌謡界の女王と呼ばれたこの人は多くの逸話を残したが、知られざる秘話はまだまだあるようだ。
先日、間近で女王を見てきた女性からその1つを聞いた。
証言の主は関口範子さん（82）。ひばりさんが亡くなるまで28年にわたって付き人を務めた人だ。東京・三越劇場で行われたソプラノ歌手、鮫島有美子（70）の「ひばりさんへのオマージュ」と題したコンサートのトークコーナーにひばりさんの長男、加藤和也さん（51）、同僚の辻村あさ子さん（72）とともに登壇して、若き日のひばりさんの素顔を明かしてくれた。
1962年（昭37）京都・岡崎公演の時の話だから、ひばりさんは25歳。大盛況のコンサートを終え、宿舎のホテルでは宴会場を借りて盛大な打ち上げが行われた。周辺の料亭やレストランから料理が運び込まれ、地元の名士も顔をそろえて、宴は深夜まで続いた。
さすがにそろそろお開きという頃になって、スタッフ一同はパニックに陥る。「お嬢（ひばりさん）がいない！」
相原斎Hitoshi Aihara
1980年入社。東京都出身。文化社会部では主に映画を担当。
黒澤明、大島渚、今村昌平らの撮影現場からカンヌ映画祭、ハリウッドやロンドンのスタジオなどを幅広く取材した。大島監督が出演していた頃の「こんにちは２時」や水前寺清子司会時代の「ワイド！スクランブル」（いずれもテレビ朝日系）では曜日コメンテーターを務めた。
この10年間はインタビュー・ページ「サタデージャニーズ」のサブ担当をしているので、ジャニーズタレント大半の取材経験がある。Webコラムはサイトの開設時から20年近く書いているが、いまだにＳＮＳ未経験。
著書に「寅さんは生きている」「健さんを探して」「誰よりも映画を愛す」などがある。
