社長の内ポケットから落ちた分厚のし袋。中身は賞金300万円/コラム<1>「敦煌」

「映画賞オールタイムベストコラム」を3日連続で配信します。今年で35回目を数える日刊スポーツ映画大賞。作品賞と石原裕次郎賞を受賞した68作品を対象に「オールタイムベスト」の投票を実施中です。過去34回で受賞した歴代映画には、撮影中もそして受賞後にもそれぞれのドラマがありました。第1回からずっと選考委員を務め、多くの撮影現場も取材した“生き字引き記者”相原斎がとっておきのエピソードをお送りします。まずは1988年、第1回授賞式の秘話。(オールタイムベスト投票のリンクは文末に。期間は12月4日まで。結果発表は年末です)

その他エンタメ

徳間康快氏(中央)は1997年には「もののけ姫」(宮崎駿監督=左)でも石原裕次郎賞を受賞。プロデューサーとして賞金300万円を石原まき子さん(右)から受け取る

徳間康快氏(中央)は1997年には「もののけ姫」(宮崎駿監督=左)でも石原裕次郎賞を受賞。プロデューサーとして賞金300万円を石原まき子さん(右)から受け取る

「ドンペリを抜いてくれ」と徳間社長

1988年12月28日。日刊スポーツ映画大賞の第1回授賞式を無事に終えてホッとひと息ついた頃、大映の幹部から「徳間(康快)社長がお待ちしています」と、式会場があったホテルのバーに呼ばれた。

1980年入社。東京都出身。文化社会部では主に映画を担当。
黒澤明、大島渚、今村昌平らの撮影現場からカンヌ映画祭、ハリウッドやロンドンのスタジオなどを幅広く取材した。大島監督が出演していた頃の「こんにちは2時」や水前寺清子司会時代の「ワイド!スクランブル」(いずれもテレビ朝日系)では曜日コメンテーターを務めた。
この10年間はインタビュー・ページ「サタデージャニーズ」のサブ担当をしているので、ジャニーズタレント大半の取材経験がある。Webコラムはサイトの開設時から20年近く書いているが、いまだにSNS未経験。
著書に「寅さんは生きている」「健さんを探して」「誰よりも映画を愛す」などがある。