堺正章だから重みがある一言「需要と供給」歌手、司会、タレントとして迎えた60周年

歌手堺正章(76)が今年、デビュー60周年を迎えた。このほど、ブルーノート東京で開催された記念ライブを取材した。冒頭、堺の肩書を歌手と書いたが、それだけで60年を生き抜いてきたわけではない。俳優、バラエティータレント、司会者など多彩な顔をもつ。だからこそ、芸能界の第一線に立ち続け、幅広い世代で高い認知度を誇るが、当人の思いはどうなのだろう。“意外”な思いを吐露してくれた。

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ルーツはスパイダース

堺は11月30日と12月1日の2日間、ブルーノート東京で3公演を開催した。その最終日の公演前に、取材に応じた。

8人のバンクバンドを従えてさっそうと登場。松任谷由実や矢沢永吉の50周年にも驚くが、堺はさらにその上をいく60周年だ。

最近の口癖は「疲れたー」だとうそぶき、笑いを誘うが、マイクを握るとそれが冗談なのだと実感する。さすがに10代のころのような躍動感はないが、高音も含めて声量の衰えはない。報道陣からも「いやあ~、声がでていますね」との声が漏れた。

60周年を振り返り「あっという間というわけではありませんね。紆余(うよ)曲折がありました。いろんなことを自分の栄養として、失敗から学び、60年間修行をしていたような、そんな感じです」などと語った。

16歳でザ・スパイダースに加入。ソロ歌手転向後は「さらば恋人」がヒット。役者としてはドラマ「西遊記」が話題となり、バラエティー番組や、司会者としても数多くの番組を仕切ってきた。

個人的には、60年間ずっと、芸能界の第一線でありつづけてきた感じをもつ。歌手、司会者、タレントとして、それぞれの活躍はいまさら振り返るまでもないだろう。そもそも、歌手1本で60周年を迎えたという方がどれだけいるのだろうかなとも思う。

世間的にみても、成功した芸能人の1人だと思う。それでも、堺本人の思いはちょっと違うようだ。