宮沢氷魚 演じることを忘れる映画との出会い 次なる冒険は海外/ロングインタビュー

運命…それは、宮沢氷魚(28)と、映画「エゴイスト」(松永大司監督)との出会い、そのものだろう。役として生きる…俳優というなりわいの本質の、究極を味わった作品が世に放たれた中、宮沢はデビューから7年5カ月、活動を続けたモデルを卒業し、次の旅に出る。今を生き、未来へと疾走する、今しかない宮沢の瞬間に迫った。

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◆宮沢氷魚(みやざわ・ひお) 1994年(平6)4月24日、米サンフランシスコ生まれ。15年9月の第30回メンズノンノ専属モデルオーディションでグランプリを獲得し、同10月号から「メンズノンノ」モデルとしてデビュー。17年10月期のTBS系ドラマ「コウノドリ」で俳優デビュー。NHK連続テレビ小説には20年「エール」と22年「ちむどんどん」に出演。21年の映画「騙し絵の牙」で日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。6、7月に東京、大阪で上演の舞台「パラサイト」も控える。184センチ。

「究極」ベッドシーン

全出演作が宝物だと語る宮沢にとっても「エゴイスト」と中村龍太は、かけがえのないものになった。

「初めてと言ったら他の作品に失礼かも知れないですけど、演じることを忘れる…中村龍太として生きた時間を体験できた。そういう作品は、ほとんどない。人物、時間、世界を生きた意味で言えば一番の作品」

演じた中村龍太は、パーソナルトレーナーを務めたファッション誌の編集者・斉藤浩輔に突然、キスし恋人同士になる。役として生きる俳優業の本質を味わえたのは、浩輔を演じた主演の鈴木亮平(39)との巡り合いが何より大きかった。

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