やすしさんの洗礼浴び、ダウンタウンらと脚光浴びた、結成40年「まるむし商店」の笑い

ベテラン漫才コンビ「まるむし商店」はデビューから40年の節目を迎えた。かつてはダウンタウンらと、大阪・心斎橋筋2丁目劇場で熱狂的な中高生の人気をつかんだ磯部公彦(65)と東村雅夫(65)だが、60代半ばとなり「今後いつまで舞台に立てるかわからない」と、その日その日が勝負。故横山やすしさんに叱咤(しった)された思い出から、今の若手芸人に対する思いまで語り尽くした。

お笑い

◆まるむし商店(しょうてん) 桃山学院大で出会い、卒業後はともにサラリーマンを経験。その後、1983年(昭58)8月にコンビ結成。87年、上方漫才大賞新人奨励賞。

東村雅夫(ひがしむら・まさお=写真左) 58年1月30日、大阪市出身。趣味は映画、パチンコ、競馬、バーゲンショッピング。手話技能検定5級、実用マナー検定準1級、食品衛生責任者などの資格を持つ。節約の達人として知られるが「最近はそれほどこだわっていない」。

磯部公彦(いそべ・きみひこ=同右) 58年1月14日、大阪府枚方市出身。趣味は釣り、盆栽、木工、ギター、ウクレレ。愛称は「いそべっち」。

即席コンビで名人賞!

磯部と東村が出会ったのは、桃山学院大の落語研究会。同い年だが、東村が1年浪人したため、磯部2年、東村1年という関係だった。

磯部 えらい暗い男が入部してきたなあ、と評判でした。ママさんバレーをやってるらしいけど「なんで大学生がママさんやねん?」とうわさになってました。

東村 高校時代(大阪・吹田高)はバレーボール部だったんです。当時、高校を卒業してもOBやOGでチームを作って活動していました。その中にはママさんもいたわけで。

落語研究会では、ひとりひとりがアマ落語家として高座を務めるのが通常。だが、ひょんなことからコンビを組むことになった。当時の人気番組「素人名人会」(MBSテレビで1960~2002年放送)からの誘いがかかったのだ。

一般の視聴者が歌や踊り、演芸を舞台で披露する番組で、西川きよしが長く司会を務めていた。

磯部 番組の関係者から「落語をする素人はたくさんいてるんやけど、漫才したい人が少ないねん」という話を聞きまして。ちょうどサークル(落研)の予算が少なくて困っていた時期で「名人賞」の3万円を目当てに、ほな漫才で出てみようと。

東村 将来は落語や漫才のプロになろうなんて、まったく考えていなかった。ただただ、名人賞が欲しかったんです。

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