ちゃめっ気ある人間国宝・中村歌六「私なんかが」控えめも「毎日初日、一生修行」強調
歌舞伎俳優中村歌六(72)が重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定され、このほど都内で会見を行った。時代物、世話物、新作と幅広く出演し、老若男女を演じ、作品に奥行きを与えている。重みも軽やかさもあり、舞台を引き締める。歌六があの役をやるなら見たい、というものがたくさんある。
演劇
こんなに泣くかな?
会見の歌六は、控えめで淡々としており「毎日初日、一生修行」と強調したのが印象に残った。
認定については「およそ私なんかが認定いただけるとは頭から思ってなかったのでびっくりしました。先輩方の足元にも及ばないので、申し訳なく思っています。偉大な先輩方が認定されてこられたので、汚しちゃいけないと思っています」と静かに語った。連絡を受けた時は、自宅でソース焼きそばを作っていたそう。「もやしを入れたところでした」と振り返り、ちゃめっ気のある笑みを見せた。こんなところも魅力的だ。
一緒にいた妻、息子2人も泣いて喜んでくれたそう。歌六は「『人間国宝に認定していただいたみたい』と言った瞬間、息子2人がわーっと号泣しました。『良かった、良かった。おめでとう、おめでとう』と。こんなに泣くかな? というくらい泣いてました」と明かし、「家内と彼らの見えない力が僕の背中を押してくれて、こういうところに連れてきてもらった」と感謝した。
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