「まだ10年」大卒草食系ハンター「丸亀じゃんご」必死にもがいて〝標的〟狙う
丸亀じゃんごは今年、結成から10年目を迎えた。劇場で見せる漫才の実力においては定評がある一方、賞レースでは勝ちきれず、派手なイメージには縁がない。外見は、やさしそうな草食系でもあるが、有数の進学校から大学を経て、芸人の世界に飛び込んだワイルドさも持つ。「まだ10年。これからバリバリ稼ぎますよ」と、ひそかに爪を研いでいる。
お笑い
<吉本芸人インタビュー 動画付き!>
京都サンガ熱烈サポと高校野球の監督経験
◆丸亀(まるがめ)じゃんご 北村敏輝(きたむら・としき=左)と安場泰介(やすば・たいすけ=右)によって2014年(平26)4月、コンビ結成。当初のコンビ名は「鴨川じゃんご」だった。ともにNSC(吉本総合芸能学院)36期。コンビ結成から1年後、香川県丸亀市の「住みます芸人」として、活動拠点を丸亀市へ。「丸亀じゃんご」を名乗る。定期的に地元でライブを展開。17年4月に住みます芸人を卒業。19年(令元)、NHK上方漫才コンテスト準優勝(優勝はさや香)。M-1グランプリは準々決勝進出3度(17、18、21年)。
北村敏輝 89年10月31日、大阪市出身。趣味はサッカー観戦で、京都サンガの熱心なサポーター。ミスター・チルドレンの大ファン。身長181センチ。
安場泰介 90年1月2日、京都府精華町出身。趣味はうどんツアー、映画鑑賞、お酒。高校野球の監督経験あり。163センチ。
11月単独ライブ
コンビ結成から10年目。後輩芸人も増え「兄さん」と呼ばれることも多くなった。身長181センチの北村と、163センチで頭が角刈りの安場。そんな2人が11月5日、大阪・よしもと漫才劇場(マンゲキ)で単独ライブ「じゃんご ジャンゴ Django」を開催する。
安場 僕らの漫才をテレビでしか見ていない方、初めて僕らの漫才をご覧になる方でも、きっと楽しめる内容です。オール新作の漫才6本。たっぷり堪能できる漫才フルコースです。
北村 単独ライブは僕らにとっても一番楽しい時間です。客席の皆さんにも、心から楽しんでいただきたいです。
安場 周囲にいる後輩たちは皆、すごいですよ。マジで面白いので「勘弁してくれよ」と脱帽してしまうこともあります。「負けてる場合やない、俺たちはもっと面白い漫才をやらなあかん」と、自分にハッパをかけています。
北村 我々は10年目ということで、賞レースの中には「今回がラストチャンス」というものもあります。競技漫才に寄せた方がいいのか、それが自分たちのプラスになるのか? 賞レースには運にも左右されるので、結局はあまり深く考えずに、丸亀じゃんご独自のスタイルを突き進むしかないのかと。
安場と北村が出会ったのは、京都教育大付高時代。京都有数の進学校に通いながら、安場は「将来はお笑い芸人になる」とひそかに決めていた。一方で大学進学の希望も持っており、大阪大外国語学部に進学。3年、4年と卒業が近くなるにつれ「やはりお笑いの世界で勝負しよう!」と、関西大の学生だった北村を誘った。
北村 僕はお笑いの世界なんて、もともと考えていなかったんです。ただ、安場から熱心に誘われるうちに、少しずつ気持ちが傾いていって…。親には「お笑い芸人なんて」と大反対されましたよ。
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