HALとRicohの証言「はだしのMONOLIZ」が誕生するまで/Dリーグ連載

ROUND.2でBenefit one MONOLIZが強豪FULLCAST RAISERZを破った。昨季も同じ2戦目に2-4で敗れており、雪辱を果たした。1勝1分けでスタートした新シーズンは代名詞のピンヒールを脱ぎ、はだしでステージに上がっている。これにより、ROUND.1から2にかけても進化があった。「DリーガーのオドリバPREMIUM」の単独インタビューに応じたディレクターのHAL、メンバーのRicoh(23)の証言を交えて、「はだしのMONOLIZ」に迫る。24日のROUND.3では昨季スイープで敗れたKADOKAWA DREAMSと対戦する。

音楽

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今季のユニホームでもそろって履くように、ピンヒールはMONOLIZの代名詞だ ©D.LEAGUE 23-24

今季のユニホームでもそろって履くように、ピンヒールはMONOLIZの代名詞だ ©D.LEAGUE 23-24

代名詞の「ピンヒール」脱いでつかんだ新境地

今季初勝利を挙げて喜びを分かち合うMONOLIZ ©D.LEAGUE 23-24

今季初勝利を挙げて喜びを分かち合うMONOLIZ ©D.LEAGUE 23-24

ROUND.1でLIFULL ALT-RHYTHMに引き分けた。初めて身に着けた純白の衣装に深紅の手袋が、手の動きを主体にする「VOGUE(ヴォーグ)」をより鮮明にした。そして、足元は…はだしだった。

開幕前のイベント「ROUND.0」でも高さ10センチを超えるピンヒールで踊る「凄み」がクローズアップされていた。3年かけて定着した「代名詞」を脱ぎ、裸足で舞い踊った。

ステージをしっかり踏み締めているからだろうか、上下や左右の動きが大きくなり、ダンスに立体感が増したのが、素人目にも感じられた。

純白の衣装に深紅の手袋。暗くなると赤みがますます深くなる

純白の衣装に深紅の手袋。暗くなると赤みがますます深くなる

かつてはディレクターのHALがすべてを決めていたが、3年目の昨季からチームで相談してプログラムや衣装を選ぶようになった。

はだしを提案したのもメンバーだった。

HALは「ヒールが当たり前になってるんで、あえて1発目で裸足にしました。すると、次はヒールなのかはだしなのか、靴なのか、なんだろうっていう楽しみがお客さんにも増えるかなって」。意外性にプラスして、ピンヒールで踊る高度な技術を伝えるには、数千人規模の東京ガーデンシアターは広すぎると感じていた。

昨季はROUND.1でスイープを奪い、トップに立ったが、最後は10位に沈んだ。

シーズン後、自己分析した。作品のクオリティーの高さには納得できた。振り付けがそろうシンクロ率の高さや独自の世界観など、自分たちの最大の武器も確認できた。オフの期間はその最大武器を強化するべく、体力アップにも取り組んだ。今の自分たちのスキルを広い会場で伝わりやすくするためにメンバーとHALがはだしを選んだのは自然だった。

はだしで踊るアイデアはメンバーの提案だった

はだしで踊るアイデアはメンバーの提案だった

結果は引き分けだったが、SNSでのファンの声、ジャッジの評価は高く、新生MONOLIZに期待する声が大半だった。

ただし、課題も足元に集まった。

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編集委員

久我悟Satoru Kuga

Okayama

1967年生まれ、岡山県出身。1990年入社。
整理部を経て93年秋から芸能記者、98年秋から野球記者に。西武、メジャーリーグ、高校野球などを取材して、2005年に球団1年目の楽天の97敗を見届けたのを最後に芸能デスクに。
静岡支局長、文化社会部長を務め、最近は中学硬式野球の特集ページを編集している。