結成6年目コント師「うただ」…職人の意地と誇り秘め、キングオブコント優勝狙う

若手コント師「うただ」は、4月の翔(かける)グランプリで初優勝しました。過去準優勝4度と、あと1歩が届きませんでしたが、晴れて堂々の勝利。一石達也(29)と宮本(30)はNSC(吉本総合芸能学院)で出会い、結成6年目。「お互いが真逆の存在」と認めるコンビは「キングオブコント決勝を目指す」と宣言しました。

お笑い

徹底的にコントにこだわる「うただ」。一石達也(左)と宮本=撮影・三宅敏

徹底的にコントにこだわる「うただ」。一石達也(左)と宮本=撮影・三宅敏

◆うただ結成は2019年(平31)1月。NSC(吉本総合芸能学院)39期。キングオブコント22、23年準々決勝進出。M-1グランプリは、20年を最後に参加せず。

◆一石達也(いちいし・たつや)1994年(平6)10月13日生まれ、兵庫県姫路市出身。趣味は読書、映画鑑賞、旅行。身長176センチ。

◆宮本(みやもと)93年10月9日生まれ、徳島県阿南市出身。趣味は漫画、ギャンブル。身長174センチ。

「翔」GP初V

4月14日、大阪・よしもと漫才劇場(マンゲキ)で行われた「Kakeru翔(かける)GP」で、うただは初の優勝を飾った(47組の芸人がエントリー)。

2カ月に1度、NSC39期以下の若手(翔メンバー)で繰り広げられるバトルライブ。漫才あり、コントあり、ピン芸あり。審査員と観客の投票によって順位が決められる。

うただは過去4度、準優勝に泣いた。優勝した2カ月前も、cacaoに次ぐ2位(ぐろうも同点2位)だった。過去2年で優勝した顔ぶれを振り返れば、天才ピアニストやダブルヒガシら、すでに売れっ子になった先輩もいる。

一石初めて優勝したことで、なにか胸のつかえが取れたような、ホッとした思いです。自分たちがやりたいコントがある一方、バトルライブは結果を求められますし、自分たちの中ではせめぎあいが常にあります。

宮本コンビで1位になったことがなかったので、ようやくモヤモヤが吹っ飛びました。僕らはNSC39期で、Kakeru翔GPを争うメンバーとしては一番上。この先いつまで(翔として)出られるかも分からないので、どうしても一度は勝ちたかった。

競争は厳しいが、優勝することで、ご褒美もついてくる。若いコンビにとっては劇場での出演機会増加が大きい。

宮本マンゲキの出番が増えて、これはうれしく思います。今は生活のためにコンビニ店員と中華料理の配達のアルバイトを掛け持ちでやっているので、もっと出番が増えてほしいです。

一石まだ女性ファンから歓声を浴びるまでにはなってませんが、劇場出番が増えたのはありがたいことです。

ダサい芸人ランク3位…一石

注目度が一気にアップしたコンビだが、インタビューには言葉を選びながら、ひとつひとつ答えてくれる。若手らしい、初々しさも残っている。

一石は、176センチ、現在91キロの、やや太め体形。上方漫才協会大賞「ダサい芸人ランキング2021」3位になったこともあった。その男が笑いに目覚めたのは小学生のとき。

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エンタメ

三宅敏Satoshi Miyake

Osaka

大阪市生まれ。1981年に日刊スポーツ入社。
主に芸能ニュース、社会ニュースの記者・デスクを務める。
2011年に早期退職制度で退社。その後は遊んで暮らしていたが、2022年から記者として復帰。吉本のお笑い芸人などを取材している。
好きなものは猫、サッカー、麻雀、ゴルフ。身長171センチ。