マリニン「夢を見ていると思わせたい」坂本花織「ミラノへの通過点」 世界王者独占インタビュー
世界王者となった2人には、歩みを止めない理由がありました。
スターズ・オン・アイスの大阪公演開幕を翌日に控えた3月29日。世界選手権の男子シングルで初制覇したイリア・マリニン(19=米国)、女子シングルで56年ぶりの3連覇を達成した坂本花織(23=シスメックス)が独占インタビューに応じました。
マリニンは4回転5種6本の構成でフリーへ挑み、世界歴代最高の227・79点をマーク。合計333・76点で頂点に立った19歳には、理想とするスケート像がありました。
坂本はショートプログラム(SP)4位発進ながら、フリーで涙の逆転優勝。ミラノ・コルティナダンベッツォ五輪へのプレシーズンとなる来季へも、すでに構想を膨らませています。
同アイスショーに出演する宇野昌磨(26=トヨタ自動車)、千葉百音(18=木下アカデミー)、吉田陽菜(18=木下アカデミー)、島田麻央(15=木下アカデミー)、上薗恋奈(13=LYS)らも会見に出席。インタビューと会見での言葉を詳報します。
フィギュア
理想のスケート像は「夢を見ているんじゃないか」
◆イリア・マリニン 独占インタビュー
――世界選手権で優勝されて数日たちましたが、実感はいかがですか
キャリアのこんなに早いタイミングでチャンピオンになることを想像していなかったので、自分でも驚いていて、不思議な気分です。次のシーズンも楽しみにしています。
――フリーではネーサン・チェン選手の得点を超え、世界歴代最高得点を記録しました。その喜びなどはありますか
常にネーサン選手とは親しくさせていただいていました。参考にさせていただいていた選手なので、世界選手権で彼の点数を超えられたことにはすごく驚いています。
――ネーサン選手からは具体的にどのようなアドバイスを受けてきましたか
ネーサン選手からは、大きな大会で優勝した後のプレッシャーやどう受け止めるのかをアドバイスされました。「自分がやってきたことに自信を持て」という助言をいただきました。
――世界選手権ではクワッドアクセル(4回転半)やそのほかの4回転ジャンプを次々と成功させました。プレッシャーもあったと思いますが、それを乗り越えるだけの自信があったから成功することができたのでしょうか
確実にモチベーションは上がってきています。世界選手権の結果が良かったことは、次のシーズンへのモチベーションとなっています。どんどん自分の限界に挑戦したいという思いが強まっています。
――今季は4回転半を入れない試合もありましたが、来季は全ての試合で入れたいですか。また、夢の5回転なども構想されていますか
今は秘密です。シーズンが進む中で、必要になるかどうかを見極めたいと思います。
――来季はミラノ五輪のプレシーズンになります。特にどこを磨きたいですか
表現面のスコアも重視したいと思っています。お客さんが見てユニークだと思ってもらえるようなパフォーマンスを意識したいと思います。その中でも特に細部までこだわってジャンプを進めていきたいです。
――前回の五輪の出場はかないませんでしたが、ミラノ五輪への思いはいかがですか
確実に五輪へのモチベーションは高まっています。次の五輪へ向けてはさらに良いコンディションで臨めると考えています。心身ともに良い状態を保って、一貫性をもって練習を継続したいです。
――理想とするスケートはありますか
追求したいスタイルとして、難しい技やジャンプに挑戦しながらも、それが難なくできているかのような印象を与えられるようにしたい。お客さんがまるで夢を見ているんじゃないかと思わせたいと考えています。
「自分を更新し続けたい」世界女王が走り続ける理由
◆坂本花織 独占インタビュー
――世界選手権3連覇から少し時間がたちましたが、実感はいかがですか
日本に帰ってきてから、いろいろな人に「おめでとう」と言ってもらえたので、だんだん実感が湧いてきました。
――どのような方から祝福をいただきましたか
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