【北京五輪代表の言葉】「団体戦はこのメンバーと昌磨君ありでのチームジャパン」全文
待ち焦がれた銀、花の都で。冬季2022年北京オリンピック(五輪)フィギュアスケート団体のメダル授与式が8月7日、夏季五輪2024が開催されているパリで開催されました。
金メダルだったROC(ロシア・オリンピック委員会)のカミラ・ワリエワ(18)がドーピング違反で資格停止処分となり、日本は銀メダルに繰り上がり。同じく金に昇格した米国とともに、約2年半後、氷上から一転、温暖なフランスでメダルを、ついに手にしました。
日本は、男子ショートプログラム(SP)に出場した宇野昌磨さん(26)が、前年から決まっていたアイスショー出演のため欠席。鍵山優真(21=オリエンタルバイオ/中京大)と、女子の坂本花織(24=シスメックス)樋口新葉(23=ノエビア)ペアの三浦璃来(22)木原龍一(31)組(木下グループ)アイスダンスの小松原美里さん(32)と小松原尊(33)が、心待ちにした表彰式を満喫しました。
開会式が行われたトロカデロ庭園で、エッフェル塔をバックに選手も高揚。ブランクを、パリの大歓声に埋めてもらうどころか、あふれる喜びに変えてもらったスケーターたちの声も弾みました。日刊スポーツ「Figure365」取材班も現地に阿部健吾、松本航、木下淳を派遣し、総出で取材! 日本の念願をかなえた銀メダリストたちの「言葉」をパリ発でお届けします。
フィギュア
―受賞に際して
鍵山 鍵山優真です。まずは、パリでのメダルセレモニーを開催するにあたって、関わったくださった皆さまだったり、関係してくださった皆さまに感謝を申し上げたいと思います。えっとそうですね、最初は、順位が確定したと聞いた時は1人で「よっしゃー!」って喜びがあったんですけど、実際にこうやってパリでチームのみんなと会って、今日このステキな場所でメダルセレモニーを行ってメダルをもらった時は、すごく「みんなで獲得したんだ」という気持ちもありましたし、今回、宇野さんは予定が合わず欠席という形になってしまったんですけど、宇野さんの気持ちも一緒に背負って、みんなで喜びを分かち合えたんじゃないかなと思います。このメンバーでのメダルは人生に1度しかないので、本当にすごく幸せな気持ちと、その分、大きな感謝の気持ちがあるので、すごくうれしく思います。
坂本 えー坂本花織です。本日は…すみません、間違えました。えっと、このような場を設けてくださったのはすごく自分たちにとってありがたいことですし、やっぱり2年半前はメダル授与式がなくて「どうして」っていう気持ちが本当にあって。こんなにも複雑なことになるとは思いもせず、あの頃は1年ぐらいでメダルをもらえると聞いていたので、やっぱりそれがドンドンドンドン延びて、2年半と言う月日が経って、でもこうやって待ったおかげで銅メダルから銀メダルに繰り上がって、こうしてまたこのメンバーと一緒にメダルがもらえて、それがすごく今日、あらためて分かち合えたのがすごくうれしかったし、何か2年半前の喜びっていうのがまた新鮮な気持ちで感じられたのでうれしかったです。
樋口 樋口新葉です。北京の時に2年半前はみんなで本当に全力で力を出し切って、あの演技をして、取ったものだったと思うんですけど、どこかもやもやした気持ちで日本に帰ってきていたので、こうしてこう、北京の時には無観客だったんですけど、たくさんのお客さんがいる中でメダル授与式というのを開いていただいたのが本当にうれしかったですし、みんなでメダルをもらえたこともすごくうれしいなと思っています。
木原 こんばんは。木原龍一です。えっと2年半っていう時間が少しあいてしまったので、自分の中でメダルをいただいた時にどんな感情がわいてくるんだろうというのを全く想像できなかったんですけど、こうしてパリでメダルをいただけて、心の底からうれしく思いましたし、皆さんと一緒に喜びを分かち合えたこと、本当に素晴らしい経験になったなと思いました。IOC、JOC、ISU、全ての関係者の皆さまに、この場を与えていただいたことを感謝したいと思います。
三浦 2年半越しに、こういったメダルセレモニーの場を設けていただけて本当に感謝を申し上げます。本当に2年半前のみんなの努力がこういったメダルの形になってすごくうれしいです。
小松原美里 はい、小松原美里です。2年半前には考えられなかった、このように、みんなと皆さまとお祝いできる機会をいただけて本当に感謝しています。ここまで来るのに、誰ひとり欠けても…助けてくださった方に1人1人、感謝しています。今は自分がちょっと競技引退をしてしまったんですけど、この経験だったり、知識だったり得たものを次世代に渡していけるように身が引き締まったような気持ちです。ありがとうございました。
小松原尊 小松原尊です。まずはこのステキなメンバーと一緒に。もう1回、喜ぶことができて、とても光栄に思います。すごく頑張りました。いい気持ちと自分の中で思っていますので、今日は本当にステキなところでメダルをもらえるなんて、1度も自分の人生で考えられなかったので、うれしいです。また、実際に家族と支えてくださった方、応援してくれた方には、心の底から感謝を伝えたいなと思っています。本当にうれしいです。
伊東秀仁・北京2022団長 はい。えー長い年月、2年半という年月が経過しましたが、この夏のアスリートたちが大活躍しているこのパリ五輪の舞台で、こうしてIOCバッハ会長のご尽力、そしてJOC、ISUの数多くの関係者の皆さまのお力を借りて、このパリでこうやってメダル授与の式を行っていただいたことに対して、深く感謝申し上げますとともに、えー、今回のメダル、銅メダルから銀メダルに変わったことに対して、非常に喜んでおります。また、このフィギュアの団体というのはですね、日本で始まった世界国別対抗戦から発して五輪の団体種目になった経緯があります。ですので、このソチで始まったフィギュアの団体戦で、いつか日本人の手でこのメダルを取りたいという思い、本当の悲願のメダルだっただけに、北京で取れたことを大変喜んでおります。また、それが悲願のメダル、銅メダルでも良かったメダルですが、この銀に変わったということで、また新たな日本で、団体戦というのについて、また新たな歴史が始まるのかなと思っております。また、こうして選手たちがこの色のメダルを取れたことは、宇野さんはじめ、ここにいる選手たちに敬意を示すとともに、選手たちの活躍に感謝を申し上げたいと思います。以上です。
―夏の五輪に来ることはないと思いますが、どうですか
坂本 えーっと。実際、私たち北京五輪の時はまだコロナの影響で無観客というか、関係者しかいない状況だったので、やっぱりそれなりに声援とかも比較的、控えめな感じだったんですけど、やっぱりこの解放された場でお客さんもあれだけいて、で、その中で自分たちがメダルをいただけるっていうのは何かすごいお客さんの熱気もすごかったですし、自分たちの、今まで経験したことがない場でのメダル授与式だったので、一気に熱量が上がって、何か登場する前、直前、全員、何か変なテンションになるくらい、すごくハイになっていたので、何だろう…「これでもか」っていうぐらい全員、楽しめたんじゃないかなと思うので、この場でメダルをいただけて、すごい良かったなと思いました。
鍵山 そうですね、SNSとかで最初、どういう場所で、チャンピオンズパークってどういう場所なんだろうみたいな感じで写真とか見たりして、気持ちを高めていたんですけど、実際に目の前にすると、すごくお客さんもたくさんいて。で、自分が思っているよりもすごいエッフェル塔の迫力がすごかったりとか、あまりフィギュアでは聞かないような、ものすごい迫力の歓声? 声援みたいなのも聞こえたので。すごくテンションが上がっていましたし、そうですね、坂本選手も言っていましたけど、みんなこう、すごくセンターを歩く前からすごく盛り上がっていたので、僕も何だろう…個人戦よりもすごく、ふふふ、いい笑顔が出たんじゃないかなと思います(笑い)。すごく幸せですし、すごくうれしいです。
―応援している夏季競技を教えてください
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