【松生理乃の言葉】「お母さんみたいな存在」それぞれのコーチとの関係は?/現地限定

【ヘルシンキ=竹本穂乃加】女子でグランプリ(GP)第2戦スケートカナダに次いで逆転の銀メダルで表彰台に立った松生理乃(20=中京大)が、大会から一夜明けて喜びを語りました。ファイナル進出は第6戦中国杯の結果次第となりましたが、昨季からの飛躍に手応えを感じています。本郷裕子コーチや田中総司コーチとの関係なども明かした、現地取材メディア限定のフリーと一夜明け会見のようすを「松生理乃の言葉」としてお届けします。

フィギュア

<フィギュアスケート:グランプリ(GP)シリーズ第5戦フィンランド大会>◇11月16、17日◇フィンランド・ヘルシンキ


順位選手名SPフリー合計
1吉田陽菜67.87131.59199.46
2松生理乃67.06134.38199.20
3ララ・ナキ・グットマン66.28131.43198.49
4サラ・エバーハード66.28124.89191.17
5ユン・アソン63.16124.52187.68
6ロリーン・シルト59.22123.14182.36
7ニーナ・ペトロキナ53.76124.90178.66
8三原舞依59.56115.18174.74
9リンゼイ・ソーングレン57.37113.27170.64
10ヤンナ・ユルキネン55.30102.14157.44
11ネラ・ペルコネン52.14103.08155.22
12オリビア・リスコ54.6898.99153.67
女子フリーの演技をする松生理乃(共同)

女子フリーの演技をする松生理乃(共同)

悔しいタイムアウト

フリー(16日)を終えて

―内容はいかがでしたか

まずサルコーが抜けてしまったっていうことがすごく悔しいのと、あと今ジャッジスコアを確認したらタイムアウトを取られていて、マイナス1.0されていたので、それがなかったら200点あったっていうので、そこもすごく悔しいところではあるんですけど。(吉田)陽菜ちゃんと2人で表彰台に乗ることができて、すごくうれしい気持ちでいっぱいなので、今回見つかった課題は次にしっかりクリアしていけるように、また意識して練習していければいいのかなって思います。

―タイムアウトは何が要因なのですか

このプログラムがもともとギリギリに作られているっていうのもあって、1度ほかの日本の試合でもタイムアウトを取られたことがあるんですけど。前回取られなかったのに今回取られた理由として考えられるのは、ちょっとコンビネーションスピン出るのが遅かったっていうのは結構自分でも分かっていて。急がなきゃって思ってやったんですけど、間に合ってなかったんだろうなっていう感じです。

―あと1点で優勝でしたね

そうですね、はい(笑い)。

女子フリーの演技をする松生理乃(共同)

女子フリーの演技をする松生理乃(共同)

―全体としては満足できる出来でしたか

そうです、はい。すごく緊張していた割には、自分の納得のいくジャンプをしっかり決めることができて、のびのびと滑ることができてたと思うので、今日のところはすごくそこは良かったのかなって思います。

―しっかりフリーを決められたことは自信になっていますか

そうですね。2戦どっちともフリーは失敗はもちろんあったんですけど、まとめることができて。ここまでちゃんと2戦ともできるっていうのは自分の自信にもなりますし、自分が結構成長したなっていうのを実感できてる部分でもあるので、ここから引き続きこの状態を崩さずに、また次の試合まで行けたらいいかなって思います。

女子フリーのスコアを確認する松生理乃(左)(共同)

女子フリーのスコアを確認する松生理乃(左)(共同)

―ファイナルの可能性がある2位に持ってこられたことについていかがですか

去年までは1戦しかなかったですし、ファイナルに名前が挙がるっていうこと自体もないことだったので、今年そういうふうに名前を挙げていただけて、結果的にも結構大きく近づくことができる結果になったと思うので、そこもすごく去年から成長できた部分かなって思っていても、素直にそこはすごくうれしいなって思います。

―ファイナルに向けてどのように過ごしますか

まだ今はちょっと達成感みたいなもので、次については考えられてないんですけど。もし自分が出していただけるっていうことになったら本当にびっくりですし、自分が出ていい場なのかっていうのもちょっと分からないところではあるんですけど。出していただけるっていうことになったら、そこに向けてまたしっかり精一杯練習していかないといけないなって思いますし、しっかり気持ちを入れ替えて、またショートフリーでノーミスを目指して毎日練習していけたらいいのかなって思います。

女子で優勝した吉田陽菜(中央)と2位の松生理乃(左)(共同)

女子で優勝した吉田陽菜(中央)と2位の松生理乃(左)(共同)

―強さが出てきたように見えます

緊張しいで、すぐ弱音を吐いちゃうっていうのは変わってはないかなとは思うんですけど。試合のここぞという場面で大崩れしないっていう強さはだんだん備わってきたのかなっていう実感はあるので、これからももっとそういう内面の強さを強くしていけたらいいかなって思います。

―成功体験がそうさせていますか

やっぱり1度成功したら、次もなんかできる気がするっていう気持ちになることができるので。こういう試合でしっかり自分の演技を出すっていうことは、すごく大変なことではあるんですけど、自分にとってすごい大事なことだなって思います。

記者会見を前にポーズをとる(左から)松生理乃、吉田陽菜ら(共同)

記者会見を前にポーズをとる(左から)松生理乃、吉田陽菜ら(共同)

―来週の中国杯はどのように見ますか

多分、普通に中京で練習してると思うので、練習しながら見るかなって思います。

ー本郷コーチが「優しい。強くならないと」と話していましたが、意識はしていますか

昨日の夜に「ありがとうございました」というふうに連絡をして。明日のモットーは「無欲、強気でいこう」って言われて「確かにそうだな」って思って。欲は出しちゃいけないし、結果にあんまりこだわりすぎたらダメだけど「私はできるんだ!」っていう強い気持ちがないと、うまくいかないと思ったので。ずっと昨日の夜から「私は明日は無欲、強気でいくんだ」って思って考えてやっていました。

フリー当日の公式練習に参加した松生理乃(撮影・竹本穂乃加)

フリー当日の公式練習に参加した松生理乃(撮影・竹本穂乃加)

―本郷コーチが6分間練習の時に譲ってしまうこともあると言っていましたが、今日は強気でいけましたか

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スポーツ

竹本穂乃加Honoka Takemoto

Osaka

大阪府泉大津市出身。2022年4月入社。
マスコミ就職を目指して大学で上京するも、卒業後、大阪に舞い戻る。同年5月からスポーツ、芸能などを取材。