新連載【ノーザンハピネッツ日和〈1〉】栗原翼、バスケ愛が根付く秋田に魅せられた新戦力
秋田ノーザンハピネッツがアツい。昨季、ホームゲームの選手入場後にブースターの皆さんが秋田県民歌を歌う姿、CNAアリーナ☆あきたに響く歓声を見て聞いて、秋田のバスケットボールへの愛の強さを感じました。その熱量を、ブースターの皆さんに、まだ秋田ノーザンハピネッツを知らない人たちに伝えたい。不定期連載として、秋田ノーザンハピネッツにまつわるさまざまな話題をお届けしていきます。第1回はB2バンビシャス奈良から新加入のPG/SG栗原翼選手(27)。B1初挑戦となった今季、飛躍への誓いに迫ります。
バスケットボール
B2奈良から今季加入、182センチのガード
◆栗原翼(くりはら・つばさ)1997年(平9)8月16日生まれ、神奈川県出身。アレセイア湘南-関東学院大-アースフレンズ東京Z-バンビシャス奈良を経て、今季秋田に加入。ポジションはポイントガード/シューティングガード。182センチ、90キロ。
忘れられない能代での体験「わー…こんな」
栗原は7月末に行われた入団会見で、少し硬い表情を浮かべながら決意表明した。
「B2からB1への挑戦。秋田ノーザンハピネッツはCS(チャンピオンシップ)に行くチームだと思っているので、自分の挑戦だけでなくチームの勝利に貢献できるように頑張っていきたい」
今季の最終的な目標は「自分がチームを勝たせられる、CSに導けるようになること」と定め、「まず最初はディフェンスからしっかり当たっていって、徐々にプレータイムを勝ち取って、自分の持ち味を生かせるようにどんどんつなげて行きたい」と続けた。初挑戦となるB1で、自身の飛躍を思い描いた。
秋田という土地への印象も問われたが、答えは控えめだった。
「まだ来て2日、3日しかいなくて、全然分からない。これから(いいところを)見つけていこうかなと思っています」
しかし、実は2年前に秋田の良さを感じる出来事があった。
一昨年のオフシーズン、JR能代駅に降り立った栗原は驚きを隠せなかった。「わー…こんな大々的に…」。電車を降りると、プラットホームで「歓迎 ようこそ バスケの街 能代へ」と書かれたバスケットゴールに、能代工(現・能代科学技術)OBの田臥勇太(B1宇都宮)、満原優樹(B1佐賀)らの高校時代のフォトパネルが目に飛び込んできた。駅名標にもバスケのイラストが書かれていた。駅を出れば、秋田杉でできた3本の大きな柱が立ち、両端の柱には同じく秋田杉製の大きなバスケットボールが出迎えてくれた。街のバスケ熱をひしひしと感じたが、驚きはそれだけでは終わらなかった。
秋田との縁、ダンク動画もきっかけ
バスケットボールのイベントに参加し、現役Bリーガーとして能代科学技術バスケットボール部の選手たちと対戦した。「すごいお客さんが入られてて…」と当時を思い返す。
「能代の方たちは僕のことなんてまったく知らない。要は能代を見に来ている。高校生を見に来るだけなのに、体育館の上のほうまで満杯になったりして。能代工業が、すごい地域に愛されているし、応援されているんだなと強く感じました」
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