【バレー新時代〈3〉】SVリーグの〝顔〟サントリー高橋藍が迎えた試練

世界最高峰を目指す新国内トップリーグ「大同生命SVリーグ」。その〝顔〟としての期待を一身に背負ってサントリーサンバーズ大阪に入団した高橋藍(23)が、思わぬ苦戦を強いられています。21年東京五輪後に3季過ごしたイタリアリーグ・セリエAとのギャップや、代表期間から長引くケガの影響など、逆境に挑戦するエースの姿を描きます。

バレーボール

大阪B戦で、西田にブロックされる

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ライバル西田に開幕戦完敗「イライラ感」

高橋藍は明らかにいら立っていた。

2024年10月11日、SVリーグ開幕戦。世界最高峰を目指す新トップリーグは、6513人の観衆をのみ込んだ東京体育館で華々しくその第1歩を踏み出した。

昨季のVリーグ覇者サントリーサンバーズ大阪と、同じく準優勝の大阪ブルテオン(旧パナソニックパンサーズ)の強豪対決。歴史的な一戦を会場が固唾(かたず)を飲んで見守る中、コートの中央にいたサントリーの高橋は、珍しく負の感情を吐露していた。

打っても打っても、スパイクで得点ができない。得意のレシーブでもミスが重なるなど、「らしくない」場面が散見された。

ネットの前にいたのは、同じくパリ五輪代表としてともに日の丸をけん引した西田有志。ライバルとして対峙(たいじ)した“元チームメート”が両リーグ最多の21得点を挙げる中、対照的に自身はわずか6得点にとどまった。

チームもわずか1時間18分で無念のストレート負け。

不完全燃焼に終わった高橋は、「チームとしての動きが悪いなと感じた。もっともっととれる点数もあったし、得点につながらないっていう部分でイライラ感があった」と肩を落とした。

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スポーツ

勝部晃多Kota Katsube

Shimane

島根県松江市出身。小学生時代はレスリングで県大会連覇、ミニバスで全国大会出場も、中学以降は文化系のバンドマンに。
2021年入社。スポーツ部バトル担当で、新日本プロレスやRIZINなどを取材。
ツイッターは@kotakatsube。大好きな動物や温泉についても発信中。