福岡・長谷部監督に学ぶ、苦境の中で一体感生んだリーダーシップ術/九州Jクラブ漫遊記

九州育ち、九州在住記者による「九州Jクラブ漫遊記」の第10回。

今季限りで退任するJ1アビスパ福岡の長谷部茂利監督(53)が、11月19日に総括会見を行いました。

資金面で戦力が限られる中、モットーの「勝ちにこだわる」ために「最適なプレーモデル」として堅守速攻を採用。

1年で昇降格を繰り返す「エレベータークラブ」を救いました。

昨季はクラブ初タイトルとなるルヴァン杯を獲得。新しい歴史をつくった功労者が20年就任から、全力で走り抜けた5シーズンを振り返りました。

サッカー

◆長谷部茂利(はせべ・しげとし)1971年(昭46)4月23日生まれ、横浜市出身。サッカーは本郷小時にFC本郷で始める。本郷中―桐蔭学園高―中大。94年V川崎(現東京V)入り。川崎F、神戸をへて市原(現千葉)で03年に現役引退。J1通算183試合出場で6得点。06年に指導者に転身。神戸ヘッドコーチ、千葉監督代行などを務め、18年からJ2水戸、20年に福岡の監督に就任。173センチ、69キロ。血液型A。

得点力不足「ずっとつきまとう課題」

―今シーズンについて。夏は苦しみ、けが人も多かった。どう苦心してマネジメントしたか

いい時も悪い時も、選手の能力がピッチで発揮されるように、いつも考えてマネジメントしてますが、けがしてピッチに立てない、必死にやってる中でも結果が出ない、で夏場の結果になった。大量失点してしまって、チームがバラバラになってしまって、というわけではなく、チームとしてはもう少しのところ、あと1歩のところで勝ち点を取れるという。十何連敗したわけではないので、決して悪かったとは思いません。ただ勝ち点を積み上げが足りなかった。

―ウイングバックやセンターバックに苦労したか

大きなけが、手術するようなけが人が何人も今シーズンは出た。そういう状態なので、本来ある力を発揮できてないというのが、見解。長期離脱の選手の影響は大きい。

―得点力不足に毎年向き合ってきた。課題をどうとらえるか

間違いなく課題です。他のチームがどうとか、カテゴリー関係なく福岡がもっと得点を取れるチームになっていかないといけない。一番最高峰のカテゴリーで優勝するまでは、ずっとつきまとう課題と思う。

―この5シーズンについて。チームを離れる決断をした理由、タイミングは

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スポーツ

菊川光一Koichi Kikukawa

Fukuoka

福岡市博多区生まれ。93年入社。所属部署、担当歴は総務、整理、写真、報道、ソフトバンク、Jリーグ、高校野球など。
海外取材歴は写真部時代の00年シドニーパラリンピック、01年マリナーズ・イチローなど。15年九州写真記者協会・プロスポーツ組写真部門賞受賞。
スポーツ歴は野球、陸上中・長距離。大学で九州学生駅伝出場。