<W杯アジア2次予選:日本3-0シンガポール>◇E組◇12日◇シンガポール・ナショナルスタジアム

 金崎選手のゴールは本当に素晴らしかった。シンガポールは序盤からGKのイズワン選手が好セーブを連発して、流れを引き寄せかけていた。そこで本田選手でも、香川選手でもない“未知の選手”が強烈すぎる一撃でネットを揺らした。

 しかも体勢も悪く、球筋を抑えにくい、高難易度の一発。相手に与えた衝撃は大きかったはずです。「6月のようにやれば勝ち点は取れる」。そんな相手の高い戦意を吹き飛ばした。あれで試合は決まりました。

 真ん中にどんと構えて、ゴリゴリとゴールに迫る。昔の中山選手のようなスタイルは、岡崎選手などにも共通しますが、より身体能力の高さを感じます。

 マイペースだという報道もありますが、いい意味で空気を読まず、悪い流れを1プレーで吹き飛ばせる。多士済々の代表に生き残るには、唯一無二の武器が必要です。私にとってはスピードでしたし、彼ならこの試合で見せつけた心と身体の強さだと思います。